Maildirが関わる領域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/05 08:00 UTC 版)
「Maildir」の記事における「Maildirが関わる領域」の解説
電子メールは以下のような状況で格納される必要がある。 SMTP MTA において、遠隔の電子メールサーバから受信後、別の場所に配送されるのを待つ間。MTAが使う格納領域をスプールと呼ぶことが多い。 IMAPのメールストアにおいて、電子メールクライアント (MUA) に電子メールを提供するまでの間。 MUAを使ってユーザーがローカルに電子メールを読む場合、直接通信プロトコルを使って受信したものを表示しているのではなく、一旦ストレージ上に電子メールを格納して、それを読み取っている。 スパムのフィルタリングなど、電子メールを媒体に一旦格納する場合。 RFC 822 や関連する標準は電子メールメッセージを複数行のテキストであると定義しており、そのテキストの先頭の数行は厳密な規則に従っている。この考え方はファイルとよく一致する。Maildirは個々のメッセージに1つのファイルを対応させる設計であり、SMTPなどのプロトコルを使ってネットワーク上を転送される電子メールと正確に対応している。MTAも電子メールをシーケンシャルアクセス方式でまとめて(バッチ的に)処理するのが一般的であり、これもメッセージとファイルの対応が適している。 ディレクトリにそれぞれ1つのメッセージを含む多数のファイルが置かれているという構造は、電子メールのランダムアクセスが必要とされるような状況では不十分である。このため多くの実装では、検索能力に優れたデータベースを使っている。2007年現在、一般にファイルシステムはデータベースよりもアクセス性能がよいので[要出典]、実装に当たってはインデックス付けの方法、プログラミングの容易さ、性能や効率、既存の技術の再利用、信頼性などを勘案している。最近のメール関連ソフトウェアである Cyrus IMAP server、MH Message Handling System、Dovecot IMAP server、UW IMAP(英語版) server などは全て相互に非互換なメッセージ毎にファイルを使うフォーマットにインデックス付け手法を組み合わせている(Dovecot と UW IMAP は他のソフトウェアからアクセス可能なフォーマットも実装している)。
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