M30 弾薬運搬車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 17:31 UTC 版)
「M12 155mm自走加農砲」の記事における「M30 弾薬運搬車」の解説
M12に搭載できる弾薬は10発の砲弾と装薬のみであり、また車体の限界一杯に近い砲を搭載したために砲員の全てを乗車させることが不可能であった。そのため、継続的な射撃のために乗車しきれない砲員と予備の弾薬を輸送するための車両が開発され、T14の名称で仮制式となった後、M30弾薬運搬車(M30 CC(Cargo Carrier)として制式化された。 車体構成はM12と同様のものであるが、砲と駐鋤を装備せず、M12に乗車しきれない砲員のための座席と予備弾薬用ラックが増設されていた。車体後面は下方に大きく開く構造となっており、開状態では作業用のプラットホームとして使用する設計となっていた。155mm砲の弾薬40発を搭載する他、自衛用に車体後部にM2重機関銃用のリングマウントを装備した。 M30はM12に合わせて100両が生産され、M12 1両につきM30 1両のペアで運用されることが基本とされた。1944年2月よりはM12の本格的な部隊運用の再開に併せ、74輌がM12と同じくボールドウィン・ロコモティブ・ワークス(Baldwin Locomotive Works)においてオーバーホールと作戦運用準備のための改装を受け、エンジンのと排気管の修正が行われている。改修されたM30は、M12と共に第二次世界大戦を通じて使用された。 第2次世界大戦後M12は後継のM40自走砲に代換され急速に退役したが、M40自走砲と同じ車体を用いた弾薬車であるT30が試作のみで量産されなかったため、M30の一部車両は弾薬ラックを改修してM40の随伴弾薬車として用いられた。その他にも少数が弾薬ラックを撤去し、M4中戦車とその派生型を装備した部隊において支援車両として戦後しばらく使用された。
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