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リナマリン

分子式C10H17NO6
その他の名称リナマリン、ファセオルナチン、Linamarin、Phaseolunatin、2-(β-D-Glucopyranosyloxy)-2-methylpropanenitrile
体系名:2-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-2-メチルプロパンニトリル


リナマリン

(Linamarin から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 06:42 UTC 版)

リナマリン(linamarin)は、キャッサバライマメアマといった植物およびに含まれている青酸配糖体ドイツ語版ニトリル配糖体)の一つである。アセトンシアノヒドリン英語版グルコシドグルコース配糖体)である。ヒトのにおいて酵素および腸内細菌にさらされると、リナマリンおよびメチル化類縁体ロタウストラリン英語版は有毒なシアン化水素に分解される。ゆえに、リナマリンを多量に含む植物の食品としての利用には、しっかりとした下ごしらえと無毒化処理が必要である。摂取・吸収されたリナマリンは速やかに尿として排出され、配糖体それ自身は急性毒性を示さない。リナマリン低含有のキャッサバの消費は低地熱帯地方で幅広く見られる。多量のリナマリンを含む十分に処理されていないキャッサバから作られた食品の摂取は、食毒性、特にアフリカ人コンゾとして知られている上位運動ニューロン病気と関連している。コンゾは初めにジョヴァンニ・トローリ(Giovanni Trolli)によって、後にハンス・ロスリングによって主導された研究ネットワークを通じて詳述された。しかしながら、毒性はリナマリンの分解産物であるアセトンシアノヒドリンの摂取によって引き起こされると信じられている[2]。リナマリンの食事からの摂取は耐糖能異常および糖尿病発生のリスクファクターであるとも報告されているが、実験動物を用いた研究ではこの効果を再現できておらず[3][4]、主な効果は糖尿病それ自身の誘導よりも現状の悪化であることが指摘されている[4][5]


  1. ^ a b c Shmuel Yannai: Dictionary of Food Compounds with CD-ROM: Additives, Flavors, and Ingredients. CRC Press, 2003, ISBN 9781584884163, P. 695
  2. ^ Banea-Mayambu JP, Tylleskar T, Gitebo N, Matadi N, Gebre-Medhin M, Rosling H (1997). “Geographical and seasonal association between linamarin and cyanide exposure from cassava and the upper motor neurone disease konzo in former Zaire”. Trop. Med. Int. Health 2 (12): 1143-1151. PMID 9438470. 
  3. ^ Soto-Blanco B, Marioka PC, Gorniak SL (2002). “Effects of long-term low-dose cyanide administration to rats”. Ecotoxicol. Environ. Saf. 53 (1): 37-41. PMID 12481854. 
  4. ^ a b Soto-Blanco B, Sousa AB, Manzano H, Guerra JL, Gorniak SL (2001). “Does prolonged cyanide exposure have a diabetogenic effect?”. Vet. Hum. Toxicol. 43 (2): 106-108. 
  5. ^ Yessoufou A, Ategbo JM, Girard A, Prost J, Dramane KL, Moutairou K, Hichami A, Khan NA (2002). “Cassava-enriched diet is not diabetogenic rather it aggravates diabetes in rats”. Fundam. Clin. Pharmacol. 20 (6): 579-586. PMID 17109651. 
  6. ^ Padmaja G (1995). “Cyanide detoxification in cassava for food and feed uses”. Crit. Rev. Food Sci. Nutr. 35 (4): 299-339. PMID 7576161. 
  7. ^ Siritunga D, Sayre R (2003). “Generation of cyanogen-free transgenic cassava”. Planta 217 (3): 367-373. doi:10.1007/s00425-003-1005-8. PMID 14520563. 


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