InfoWebとの統合によるサービスの衰退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 19:01 UTC 版)
「ニフティサーブ」の記事における「InfoWebとの統合によるサービスの衰退」の解説
1999年11月1日に親会社である富士通の運営するインターネットサービスプロバイダ「InfoWeb」と統合した。併せてCIを「@nifty(アット・ニフティ)」に、ワープロ・パソコン通信のサービス名称を「NIFTY SERVE」に変更した。この時、日商岩井はニフティの経営から撤退している。 合併はニフティ側を存続させるという形で行われたが、今後の主力となるインターネット接続サービスはInfoWeb側のシステムを再構築して提供するという方法がとられることとなり、@niftyのリモートホスト名はnifty.ne.jpではなくinfoweb.ne.jpとなる。このため、旧ニフティサーブの会員管理システムに依存していたワープロ・パソコン通信サービスは新システムの利用者(@nifty会員)からは接続できない事になった。 この事態への対処として、従来からのニフティサーブ会員を新システムに収容せず旧会員として維持する体制が取られたが、ワープロ・パソコン通信サービスを必要とする会員のために存続された物であり、@nifty会員向けに提供されているサービスが一部使用できないなど、ニフティサーブを利用する会員に不便を強いる物であった。旧ニフティサーブのシステムを刷新せず温存し、現状のまま維持するという消極的な運営姿勢に転じたことは、ニフティサーブを利用し続けようとする数少ない利用者さえも裏切る展開となる。 2001年頃になるとダイアルアップによるパソコン通信から、テレホーダイ、フレッツISDNなどの定額制が一般的となり、利用がほとんど無くなったフォーラムも多数生じたことから、ニフティは広告等でのニフティサーブの扱いを縮小し、新たに用意した「フォーラム@nifty」(Webフォーラム)の利用、移行を促すようになる。しかし、Webフォーラムはニフティサーブのフォーラムシステムに比べて明らかに劣るものであり、フォーラムを「シスオペ」という名の管理人を中心とした単なる掲示板サイトへ落とし込む物であった。このため、Webフォーラムへの移行を断念して廃止するフォーラムやパソコン通信上に居残るフォーラムもあった。また、Webフォーラムでは旧来からのフォーラムでの文化は馴染まなかったこともあり、新参者が新旧どちらのフォーラムにも来ないと言う致命的な結果を招く事になった。 やがてニフティサーブでの新規の企画も無くなり現状維持のみが行われる状態となり、前衛的であったシスオペや会員の大半はニフティサーブに見切りを付け去っていった。その結果、意欲的なフォーラムは無くなり、残るフォーラムはシスオペや常連が壁などでなれ合うだけのものか、最後の発言が数ヶ月(場合によっては数年)前で、書き込んでも誰からも反応が無い廃墟のようなフォーラムが大半になった。このような雰囲気が新参者の参加をいっそう困難にしてニフティサーブは衰退して行った。
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