WBSC世界ランキングとは? わかりやすく解説

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WBSC世界ランキング

(IBAFランキング から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/14 00:25 UTC 版)

WBSC世界ランキング英語: WBSC World Ranking)とは、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)により発表される野球ソフトボールおよびベースボール5のナショナルチームのランキングシステム。

概要

WBSC世界ランキングは、数値上で各国のナショナルチームの強さを表したものである。WBSCプレミア12ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など、WBSCまたは各大陸・各国の連盟等が主催する、原則として過去4年間に開催された国際大会の成績に基づいて算出される。このランキングは、サッカーにおけるFIFAランキング等とは異なり、トップチームのみではなく世代別代表(U-23、U-18、U-15、U-12)の成績も反映されるため、多数のメジャーリーガーを輩出する強豪国であるドミニカ共和国プエルトリコのように、アンダー世代の選手の多くがMLBの傘下でプレーしておりナショナルチームの国際大会には参加しない国・地域の順位が相対的に低くなる傾向がある[1]

野球・ソフトボールともに男女それぞれのランキングが発表されているが、女子のランキングは過去3大会のWBSC女子野球ワールドカップが獲得ポイントの対象となるなど、男子とは異なる点がある。またベースボール5は男女混合の競技であることから、男女別ではなく単一のランキングとなっている。ランキングに掲載されているのは、野球が男子84か国、女子25か国。ソフトボールが女子65か国、男子45か国。ベースボール5が53か国(2024年12月現在)。

男子野球では、WBSC世界ランキングに従ってWBSCプレミア12の出場権が与えられる。2024年第3回大会までは前年末時点でのランキング上位12位までの国・地域が自動的に本大会の出場権を得ていたが、2027年に開催予定の第4回大会では、前々年末時点でのランキング上位12位までの国・地域が自動的に本大会の出場権を得るとともに、13〜18位の6か国・地域およびワイルドカードの2か国・地域が4つの本大会出場枠をかけた予選に出場する形式に変更される[2]

2024年よりコナミデジタルエンタテインメントが命名権を取得し、WBSC/KONAMI 世界ランキング英語: WBSC/KONAMI World Rankings)が公式呼称になっている[3][4]

歴史

2009年国際野球連盟(IBAF)によって制定された野球のIBAFランキングを前身とし、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の発足に伴い、2014年7月1日よりWBSCランキングへと移行した。

2016年12月31日には、ソフトボール男女それぞれのランキングが初めて公表された。

2023年1月12日には、ベースボール5のランキングが初めて公表された。

男子野球

2009年にIBAFランキングが制定されて以降、長らくキューバが首位を守っていたが、2013年12月発表のランキングで陥落。代わってアメリカ合衆国が首位に立つも、2014年11月発表のランキングで日本(侍ジャパン)が初の1位を獲得した。

WBSC世界ランキングへの移行後は年2回ほどのペースで最新のランキングが公表されてきた。2016年12月発表のランキングでは日本が1位を守ったが、2018年9月発表のランキングで4年ぶりに陥落。2017年第4回WBCU-18W杯で優勝したアメリカが首位に浮上した[5]。しかし、2018年U-23W杯での準優勝などにより同年12月発表のランキングで日本が再び首位に返り咲くと、以降は2019年第2回プレミア122021年東京オリンピック2023年第5回WBC等の主要大会を続けて制覇した日本が首位を守り続けている。

男子野球ランキング上位の変遷
発表日 国数 1位 2位 3位 4位 5位
1 2012年12月31日 73 キューバ 766.02 アメリカ合衆国 733.25 日本 664.42 韓国 518.2 チャイニーズタイペイ 499.79
2 2014年12月31日 73 日本 785.18 アメリカ合衆国 766.02 キューバ 662.98 チャイニーズタイペイ 605.48 オランダ 433.5
3 2016年12月31日 70 日本 5699 アメリカ合衆国 4928 韓国 4849 チャイニーズタイペイ 4261 キューバ 3857
4 2018年9月25日 74 アメリカ合衆国 5515 日本 5245 韓国 4849 キューバ 4395 チャイニーズタイペイ 3165
5 2018年12月17日 76 日本 5796 アメリカ合衆国 5565 韓国 4987 チャイニーズタイペイ 3569 キューバ 3516
6 2019年12月31日 85 日本 6127 アメリカ合衆国 4676 韓国 4622 チャイニーズタイペイ 4352 メキシコ 3375
7 2020年3月18日 86 日本 6167 アメリカ合衆国 4676 韓国 4648 チャイニーズタイペイ 4385 メキシコ 3375
8 2021年6月28日 84 日本 4141 チャイニーズタイペイ 3590 韓国 3452 アメリカ合衆国 3114 メキシコ 2483
9 2021年8月11日 85 日本 4290 韓国 3423 チャイニーズタイペイ 3315 アメリカ合衆国 3077 メキシコ 2270
10 2021年12月31日 85 日本 3752 チャイニーズタイペイ 3321 韓国 3137 メキシコ 2722 アメリカ合衆国 2445
11 2022年12月31日 81 日本 4179 チャイニーズタイペイ 3819 アメリカ合衆国 3449 韓国 3428 メキシコ 2723
12 2023年3月28日 84 日本 5323 アメリカ合衆国 4402 メキシコ 4130 チャイニーズタイペイ 4061 韓国 4049
13 2023年8月15日 80 日本 5274 アメリカ合衆国 4654 メキシコ 4226 韓国 4025 チャイニーズタイペイ 3991
14 2023年10月5日 79 日本 5677 アメリカ合衆国 4492 メキシコ 4390 韓国 4260 チャイニーズタイペイ 4094
15 2023年11月2日 80 日本 5572 メキシコ 4709 アメリカ合衆国 4492 韓国 4186 チャイニーズタイペイ 3974
16 2023年12月18日 80 日本 5797 メキシコ 4764 アメリカ合衆国 4492 韓国 4353 チャイニーズタイペイ 4170
17 2023年12月31日 80 日本 5797 メキシコ 4764 アメリカ合衆国 4492 韓国 4353 チャイニーズタイペイ 4170
18 2024年9月3日 80 日本 4899 メキシコ 4063 チャイニーズタイペイ 3706 アメリカ合衆国 3587 ベネズエラ 3489
19 2024年9月18日 80 日本 5756 メキシコ 4118 チャイニーズタイペイ 4118 ベネズエラ 3941 アメリカ合衆国 3687
20 2024年11月27日 84 日本 6866 チャイニーズタイペイ 5498 ベネズエラ 4846 メキシコ 4729 アメリカ合衆国 4691
21 2024年12月31日 84 日本 6911 チャイニーズタイペイ 5558 ベネズエラ 4877 メキシコ 4769 アメリカ合衆国 4751
男子野球ランキングの年間獲得ポイント
大会数 親善試合数 1位 2位 3位 4位 5位
2015 13 25 アメリカ合衆国 2486 韓国 2244 日本 1859 キューバ 1640 カナダ 1605
2016 12 4 日本 1146 パナマ 796 韓国 736 オーストラリア 624 メキシコ 612
2017 19 4 アメリカ合衆国 2127 日本 1644 韓国 1204 オランダ 1133 オーストラリア 1015
2018 20 22 日本 1187 チャイニーズタイペイ 1049 韓国 829 メキシコ 780 ドミニカ共和国 693
2019 15 7 日本 2190 チャイニーズタイペイ 1917 韓国 1879 アメリカ合衆国 1597 メキシコ 1304
2020 2 4 ニカラグア 120 キューバ 110 ベネズエラ 100 コロンビア 91 パナマ 81
2021 14 7 ベネズエラ 783 オランダ 751 メキシコ 638 コロンビア 608 ドミニカ共和国 592
2022 19 8 日本 1614 チャイニーズタイペイ 1547 アメリカ合衆国 1544 メキシコ 1331 韓国 1120
2023 21 37 日本 2428 メキシコ 1791 アメリカ合衆国 1735 韓国 1702 ベネズエラ 1485
2024 19 24 日本 2494 チャイニーズタイペイ 2195 ベネズエラ 1613 プエルトリコ 1336 韓国 1288

※大会と親善試合の区分はWBSCでのポイント加算方法に基づく。

加盟国・地域別ランキング

野球

男女の上位20位について記述する。

女子野球ランキング上位20位
(2024年8月6日発表)
順位 変動 チーム ポイント 加盟組織
01 日本 1405 アジア
02 アメリカ合衆国 0918 南北アメリカ
03 カナダ 0755 南北アメリカ
04 ベネズエラ 0745 南北アメリカ
05 チャイニーズタイペイ 0744 アジア
06 メキシコ 0741 南北アメリカ
07 プエルトリコ 0490 南北アメリカ
08 香港 0377 アジア
09 キューバ 0350 南北アメリカ
10 韓国 0313 アジア
11 オーストラリア 0264 オセアニア
12 フランス 0180 ヨーロッパ
13 フィリピン 0172 アジア
14 中国 0151 アジア
15 インド 0130 アジア
16 インドネシア 0109 アジア
17 パキスタン 0094 アジア
18 ドミニカ共和国 0072 南北アメリカ
19 タイ 0068 アジア
20 チェコ 0056 ヨーロッパ
  • 変動は2024年8月6日時点との差

ソフトボール

男女の上位20位について記述する。

女子ソフトボールランキング上位20位
(2024年12月31日発表)
順位 変動 チーム ポイント
01 アメリカ合衆国 5106
02 日本 3965
03 プエルトリコ 3474
04 チャイニーズタイペイ 2800
05 オランダ 2745
06 カナダ 2685
07 イタリア 2505
08 チェコ 2174
09 メキシコ 2027
10 オーストラリア 1791
11 イギリス 1535
12 中国 1420
13 スペイン 1401
14 イスラエル 1046
15 ドイツ 1025
16 3 ペルー 0994
17 1 キューバ 0972
18 1 フランス 0968
19 1 フィリピン 0965
20 ベネズエラ 0936
  • 変動は2024年9月11日時点との差
男子ソフトボールランキング上位20位
(2024年12月31日発表)
順位 変動 チーム ポイント
01 アルゼンチン 3141
02 オーストラリア 3035
03 日本 2818
04 カナダ 2814
05 ベネズエラ 2450
06 アメリカ合衆国 2316
07 チェコ 2011
08 ニュージーランド 1565
09 メキシコ 1518
10 キューバ 1367
11 ドミニカ共和国 1147
12 グアテマラ 1049
13 シンガポール 1032
14 コロンビア 0817
15 デンマーク 0722
16 フィリピン 0710
17 イスラエル 0696
18 南アフリカ 0667
19 オランダ 0504
20 香港 0425
  • 変動は2024年9月25日時点との差

ベースボール5

上位20位について記述する。

ベースボール5ランキング上位20位
(2024年12月31日発表)
順位 変動 チーム ポイント
01 キューバ 4327
02 チャイニーズタイペイ 4113
03 1 フランス 3829
04 1 日本 3424
05 チュニジア 3186
06 メキシコ 2605
07 3 リトアニア 2433
08 1 南アフリカ 2187
09 1 ベネズエラ 2032
10 1 中国 1891
11 韓国 1811
12 1 トルコ 1607
13 1 ガーナ 1250
14 香港 1094
15 ケニア 1063
16 4 イタリア 1061
17 1 マレーシア 1056
18 オランダ 1037
19 ベルギー 0998
20 5 スペイン 0909
  • 変動は2024年10月16日時点との差

算出方法

WBSCが発表している世界ランキングは、過去4年間に出場したWBSC公認の国際大会の成績から算出される。各国の獲得したポイントを加算してゆき、トータルポイントの多少により格付けされる。国際大会で獲得できるポイントは順位ごとに設定されているが、「大会の格」と「大会出場チームのランキング」によって変動する。また、2013年にIBAFは世界ランキングシステムの拡大と、各国野球連盟が男女ランキングのために獲得できる追加のポイント制度の導入を発表した[6]

2024年12月時点での男子野球のランキングポイント計算方法は以下の通り[7][8]

ポイントの概要

ポイントの対象となるのは、ランキング発表日を基準に直近4年間の大会・試合成績である。「大会の格」により最大ポイントと最小ポイントが設定され、各順位における獲得ポイントが計算される(計算例後述)。チームクオリティボーナスは、参加チーム数と参加チームの前年12月31日時点でのランキングを基に最大ポイントを決定する方法である。またトップ12ボーナスは、前年12月31日時点でのランキング上位12位内のチームの参加数に応じて最大ポイントが加算されるものである。

各大会について、4年間に複数回開催された場合においてもポイントの対象は最新の大会のみである。また、大会が4年以内に開催予定だったものが延期された場合、前回大会から4年以上経過して開催される場合でも次の開催まで前回大会のポイントが残る。また、次回大会が4年以内に予定されていない大会のポイントは、4年で失効する。

大会別獲得ポイント

最高ランク世界大会

大会 ポイント
最大 最小 優勝ボーナス
WBSCプレミア12 1200 120 180
ワールド・ベースボール・クラシック 1000 100 150

世代別ワールドカップ

大会 ポイント
最大 最小 優勝ボーナス
WBSC U-23ワールドカップ 600 60 90
WBSC U-18ワールドカップ 500 50 75
WBSC U-15ワールドカップ 400 40 60
WBSC U-12ワールドカップ 300 30 45

主要総合競技大会・成人大陸選手権

基本最大ポイント 最小ポイント
200 - 500 合計最大ポイントの10%

チームクオリティボーナスポイントは、以下の通り。

参加チーム 加算ポイント
12位以上 1チームごとに50
24位以上 1チームごとに25
36位以上 1チームごとに10
その他のチーム 1チームごとに5

トップ12ボーナスポイントは、以下の通り。

12位以内チーム数 加算ポイント
2 - 3 50
4以上 100

また全体の参加チーム数が少ない場合に全体の獲得ポイントは減り、4チームの場合は表示の80%、3チームの場合60%となる。

マイナー総合競技大会・公式大陸大会

成人代表のみが参加し、世界・大陸タイトルが授与されない大会。

基本最大ポイント 最小ポイント
最大200 合計最大ポイントの10%

チームクオリティボーナスポイントは、以下の通り。

参加チーム 加算ポイント
12位以上 1チームごとに50
24位以上 1チームごとに25
36位以上 1チームごとに10
その他のチーム 1チームごとに5

また、次の大会は以下のようにポイントを定める。

大会 ポイント
最大 最小
FISUユニバーシアード 40 4

地域大会・ワールドカップ以外の予選

国内連盟や民間団体などが主催する、成人代表による大会。ハーレムベースボールウィーク、中央アメリカ・カリブ海競技大会予選など。

基本最大ポイント 最小ポイント
最大100 合計最大ポイントの10%

チームクオリティボーナスポイントは、以下の通り。

参加チーム 加算ポイント
12位以上 1チームごとに50
24位以上 1チームごとに25
36位以上 1チームごとに10
その他のチーム 1チームごとに5

世代別ワールドカップ予選・プレミア12予選

大会 ポイント
最大 最小
プレミア12 150 15
WBSC U-23ワールドカップ 120 12
WBSC U-18ワールドカップ 100 10
WBSC U-15ワールドカップ 80 8
WBSC U-12ワールドカップ 60 6

親善試合など

大会外で行われる成人代表同士の試合のほか、参加チームに成人代表以外の代表チーム[注 1]が含まれる大会における、成人代表同士の試合を対象とする。

対戦相手 ポイント
基本 ボーナス
12位以内の相手に勝利 6
24位以内の相手に勝利 4
25位以下の相手に勝利 2
10位以上高い相手に勝利 4
5位から9位高い相手に勝利 2

ポイント差の計算

大会の最終順位により各チームが獲得するポイント差は、以下のように求められる。

この項目は、野球に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めていますPJ野球/P野球)。




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