I/O空間の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 01:03 UTC 版)
「X1 (コンピュータ)」の記事における「I/O空間の利用」の解説
Z80は、8080では8ビットだったI/O空間を16ビットの空間として利用できるように仕様が拡張された。X1シリーズではこの仕様を利用し、メインメモリをバンク切り替えなどによってVRAMに割り当てる当時の一般的な実装ではなく、I/O空間に直接VRAMをマッピングした。 この実装は同じくZ80を採用したSONYのSMC-70やSMC-777などでも用いられており、メインメモリー空間のバンク切り替えを用いることなく常に64KBのメインメモリー空間と48KBのVRAM空間にアクセス可能なメリットがあった。また、初代X1と同世代であるPC-8801では、テキストVRAMをメインメモリに置きDMACにより転送することから、バス調停によるメモリアクセスウェイトが存在したため、相対的にX1はメインメモリのアクセスが高速でもあった。 その反面、直交性の低い当時のCISC CPUではI/O空間へのアドレス指定に煩雑な面が存在し、またメモリー空間と比較して読み書きに要するステート数が多いといったデメリットも存在した。加えてVRAMの配列が特殊な並びになっていることによるアドレス計算の煩雑さなどから、グラフィックス制御そのものは扱いやすいとは言い難かったが、サイクルスチール回路の導入や独立したテキストVRAM回路の設計など、システム速度の足を引っ張らない工夫がされていた。 同じパターンが書き込まれてしまうため実質画面クリアにしか利用できないものの、全3プレーン同時アクセスも可能になっている。
※この「I/O空間の利用」の解説は、「X1 (コンピュータ)」の解説の一部です。
「I/O空間の利用」を含む「X1 (コンピュータ)」の記事については、「X1 (コンピュータ)」の概要を参照ください。
- I/O空間の利用のページへのリンク