Human Relation
組織のマネジメントを考える上で重要な2つの側面、業務と人間(および人間同士の関わり)のうち、後者を示す。
業務の方法・手順を分析し、唯一最善な効率的な作業のやり方を追求して生産性を向上させるというアプローチの一方で、同じ業務のやり方をしても個人差やグループ間に生産性の格差があることに注目して生まれた考え方。
そこでは一人ひとりの意欲や性格とともに、人間相互の関わり方にも注目された。
代表的には業務のマネジメント単位として組織図として描ける組織(フォーマル・グループ)の他に、組織図には描かれていない組織(インフォーマル・グループ)の存在がクローズアップされた。
リーダーシップ、コミュニケーション、また社員一人ひとりの労働意欲などの研究領域はこの流れに沿ったものである。
人事管理の領域では、社員のリーダーシップ特性やコミュニケーション特性などに注目し、マネジメント単位ごとにどのような人材の組み合わせとするかということが課題となる。
人事異動により社員の意欲や成果が向上した場合、社員の能力、資質が新しい仕事に適合したという側面もあるが、上司や他メンバーとの良好な関係が築かれたことによることもある。
また、ある企業の人事担当者は「優秀な人材ばかり集めたプロジェクト・チームはうまくいかない」と言う。プロジェクトに必要な能力、資質を組み合わせるとともに、他のメンバーとの関係(権力構造、コミュニケーションなど)も考慮し、メンバーを編成することがプロジェクト・チームの成功要因の1つであるようだ。
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