Greyball
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 17:28 UTC 版)
2014年より、Uberは自社ソフトウェア「Greyball」を使って、サービスが違法な地域にいる法執行官の乗車を回避していた。現実には存在しない「ゴーストカー」をUberモバイルアプリで対象の個人に表示させ、実在の運転手らにはそれら個人によって要求された乗車をキャンセルさせる手法で、Uberは自社サービスが違法とされる地域にいる既知の法執行官を乗車させないようにすることが可能だった。2017年3月3日のニューヨークタイムズ記事がUberのGreyball使用を公表し、それをポートランド (オレゴン州)・オーストラリア・韓国・中国の市条例執行官を回避する方法だと説明した。この報道への回答として当初、Uberは利用規約違反者(おとり捜査に関与する人達も含む)の乗車を拒否するために設計されたものだと主張していた。Uberによれば、Greyballは「乗客個々に対して標準の都市地図アプリを非表示にして別バージョンを表示させる」ことが可能だと言う。報道によると、UberはGreyballを使って、利用者が政府機関付近で頻繁にアプリを開いたりしていないかに着目したり、利用者のソーシャルメディアにある個人情報や、Uberアカウントに関連付けられたクレジットカードから法執行官を特定していたという。 この記事から数日後の3月6日、ポートランド運輸局が「UberはGreyballを使って運輸局役員を意図的に回避し、同執行官による乗車要求29件を拒否した」との調査結果を発表した。この監査発表を受けて、ポートランドの警察長官はUberに対して同ソフト使用で規制当局を回避している方法に関する情報を提出させる方針を示唆した。3月8日にUberは政府の規制当局を妨害するためにGreyballを使っていたことを認め、この目的での使用をやめると宣誓した。2017年5月、現地の法執行活動を回避する目的でUberがGreyballを使用した件で米国司法省が犯罪捜査を開始した。
※この「Greyball」の解説は、「Uber」の解説の一部です。
「Greyball」を含む「Uber」の記事については、「Uber」の概要を参照ください。
- Greyballのページへのリンク