E10.12形および112形機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 08:35 UTC 版)
「西ドイツ国鉄E10形電気機関車」の記事における「E10.12形および112形機関車」の解説
1962年E10形向けに新開発された、それまでの車両に付けられていたものと異なる6組の台車が製作され、239号機 - 244号機に新製時より装着された。この6両はラインゴルト号けん引用に投入された。この台車は最高160 km/hでの走行が可能。このため、当該機239号機 - 244号機は、普通のE10形との区別のために、車番を+1000とされ、車号の前に「1」の数字が追加された(つまり1239-1244に改番)。これにより、形式はE10.12シリーズとされ、この6機は外観はそのままに、コバルト青色とべージュ色の特別塗装とされた。 さらにその半年後、265号機 - 270号機には、新たに開発されたヘンシェル製台車と動力伝達装置が装着され、この6機はやはり車号が+1000とされ、1239-1244号機同様160 km/h運転を行うこととなった。この1000番台の番号を持つ車両は、1960年代前半から特急列車牽引用となった。その後1239号機 - 1244号機は一般的なE10形に改造され(台車を一般的なものとしたと考えられるが、詳細は不明である)、元の番号に戻された。 288号機からは空気抵抗の少ない流線形前面で製作されて、1308号機から1312号機までは160 km/hで走行可能とするため、ヘンシェル製台車と駆動装置が装着された(車号は新製時から1308-1312であったと考えられる)。1968年になり、E10.12形(E10形1000番台とも言うべき160km/h運転対応機)は112形機関車に改番されて、番号から前の「1」を取り、E10.1時代の番号に戻された(最初から1000番台の番号を持っていた車両も、頭の「1」を除去)。 同年に20両の112形機関車が新製されたが、コストの高いヘンシェル製台車は用いられず、より近代的な「直列台車」と呼ばれる台車(Seriendrehgestelle)がその20両の機関車に装備された。しかし、耐久力に問題が判明したため、この分の112形は1988年114形機関車へ改番された。さらに1991年にはヘンシェル台車の装着された112形は113形機関車として改番され、空いた112形には、東西ドイツ統一により1992年から東ドイツ国鉄212形電気機関車がドイツ鉄道112形に改番されるという複雑な改番を経た。
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