E・W・ホーナングとは? わかりやすく解説

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E・W・ホーナング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/28 01:53 UTC 版)

アーネスト・ウィリアム・ホーナング: E. W. Hornung1866年6月7日 - 1921年3月22日)は、イギリス小説家詩人であり、19世紀後半のロンドンを舞台とする怪盗A・J・ラッフルズのシリーズ本を出したことで知られている。ホーナングはアッピンガム・スクールで教育を受けた。健康状態が悪かったために1883年12月に学校を離れ、シドニーに旅して2年間滞在した。このオーストラリアでの体験を元にして、まず短編小説、後に中長編小説の執筆を始めた。


原註

  1. ^ ジョン・ピーター・ホーナングはストックトンのスウェーデンデンマークノルウェー副領事としても務めていた[3]
  2. ^ ホーナングの時代のアッピンガムは、校長エドワード・スリングの後年にあたる。ホーナングはスリングを称賛する者であり、「19世紀で最大級に偉大な校長」だと言っていた[6]
  3. ^ その日付などホーナングの行動に関する詳細は不詳である。その伝記作者アリソン・コックスは「ホーナングに関する当時の資料がほとんどない」とこぼしている[10]。ローランド1999年にホーナングの伝記を書いたとき、資料が限られていたので彼のことを「本当にミステリーの男」と呼んだ。イギリスの「全国の伝記の事典」にはホーナングが入っておらず、1993年になって補遺の「不明の人物」に初めて含まれた、と指摘している[20]
  4. ^ ローランドは、その名前がワイルドからとられたという証拠は無いが、「そのような仮定に関する状況証拠は非常に強いので、無視することは不可能である」と言っている[25]
  5. ^ ホーナングの伝記作者スティーブン・ナイトは、2つの小説の筋が「オーストラリアの女性がイングランドに旅して、その直接的な活力がイギリス社会の偽善に曝される」ことで共通していると記している[9]
  6. ^ ポシリポはオスカー・ワイルドとその愛人アルフレッド・ダグラスが1897年に共同生活を送った場所でもあった[30]
  7. ^ 『素人の金庫破り』に収められた8編は、『3月15日』、『コスチューム・ピース』、『紳士と祈る人』、『Le Premier Pas』、『故意の殺人』、『法の9つのポイント』、『リターンマッチ』、『皇帝の贈り物』である[35]
  8. ^ ドイルはこの献呈で特に追従を受けたのではなく、その後の版では消えた[38]
  9. ^ 『Peccavi』は若い時に罪を犯した牧師に関するものである。この題はラテン語で「私は罪を犯した」という意味である[42]
  10. ^ 『黒いマスク』は後に『ラッフルズ: 素人金庫破りのさらなる冒険』と改題して再版された[36]
  11. ^ ローランドは、この作品にホーナングがどれだけ貢献したか疑問を投げかけている。「この仕事に対する彼の貢献は最少である」と見ると記した[47]
  12. ^ この劇は1906年にロンドンに移され、主役はジェラルド・デュ・モーリエが演じた[48]
  13. ^ 『大きくとも』(1902年)、『縄の影』(1902年)、『デニス・デント」(1903年)、『英雄無し』(1903年)[14]
  14. ^ 1908年、ホーナングは戯曲『スティンガリー』を書き、同年2月、ロンドンのクイーンズ劇場で初演された[14]
  15. ^ 『木製の十字架』と題する詩集を1918年に出版した[60]
  16. ^ その原稿は残っていない[68]
  17. ^ ペローンの作品は以下の通りである: 『夕暮れ後のラッフルズ』(1933年)、『追跡されるラッフルズ』(1934年)、『宣告を受けたラッフルズ』(1936年)、『彼女はラッフルズと結婚した』(1936年)、『ジブラルタルのラッフルズの犯罪』(1937年)、『ラッフルズ対セクストン・ブレイク』(1937年)、『A.R.P. ミステリー』(1939年)、『ラッフルズとキーマン』(1940年)[76][78]
  18. ^ 1905年の『ラッフルズ、素人金庫破り』、カール・ベルーが部隊で演じた役を映画でも演じた[48]。同年に同じ題で2本目の映画が封切られたこともあり、J・バーニー・シェリーが主役を演じた[81]。1917年の『ラッフルズ、素人金庫破り』ではジョン・バリモアが主役になった[82]。ホーナングが死んだ1921年には『ミスター・ジャスティス・ラッフルズ』でジェラルド・エイムズがラッフルズを演じた[83][84]
  19. ^ ランスは例として、『コスチューム・ピース』のリューベン・ローゼンタール、『故意の殺人』アンガス・ベアード、『ミスター・ジャスティス・ラッフルズ』のダン・リーバイといった登場人物を挙げている[101]
  20. ^ 染める(dye)に死ぬ(die)を掛けている

脚注

  1. ^ a b c d e Rowland 2004.
  2. ^ Rowland 1999, pp. 13–15.
  3. ^ a b Rowland 1999, p. 14.
  4. ^ a b c d Valentine 2008, p. 75.
  5. ^ Rowland 1999, pp. 17–18.
  6. ^ Rowland 1999, p. 18.
  7. ^ Rowland 1999, pp. 16–17.
  8. ^ Rowland 1999, p. 21.
  9. ^ a b c d e f Knight, Stephen. “Hornung, Ernest William (1866–1921)”. Australian Dictionary of Biography. Melbourne University Publishing. 2014年1月21日閲覧。
  10. ^ a b c d Cox 1988, p. 172.
  11. ^ a b c Rowland 1999, p. 40.
  12. ^ Rowland 1999, pp. 30–31.
  13. ^ a b c d e f g h i E(rnest) W(illiam) Hornung”. Contemporary Authors. Gale. 2014年1月25日閲覧。 (要購読契約)
  14. ^ a b c d e Cox 1988, p. 169.
  15. ^ Ackroyd 2001, pp. 169–70.
  16. ^ Cox 1988, pp. 170–71.
  17. ^ Rowland 1999, p. 43.
  18. ^ Lycett 2008, p. 188.
  19. ^ Lycett 2008, p. 189.
  20. ^ Rowland 1999, pp. 10–11.
  21. ^ Lycett 2008, pp. 202–03.
  22. ^ Lycett 2008, pp. 192–93.
  23. ^ a b Valentine 2008, p. 76.
  24. ^ Rowland 1999, p. 98.
  25. ^ a b Rowland 1999, p. 71.
  26. ^ Lycett 2008, pp. 216–17.
  27. ^ Cox 1988, p. 173.
  28. ^ Cox 1988, pp. 173–74.
  29. ^ Rowland 1999, p. 100.
  30. ^ a b Rowland 1999, p. 103.
  31. ^ a b c d Cox 1988, p. 171.
  32. ^ Rowland 1999, pp. 107–08.
  33. ^ Lycett 2008, p. 226.
  34. ^ Rowland 1999, p. 119.
  35. ^ Hornung 1907a, Contents page.
  36. ^ a b c Cox 1988, p. 174.
  37. ^ Valentine 2008, pp. 76–77.
  38. ^ Rowland 1999, p. 131.
  39. ^ a b Doyle 2007, p. 225.
  40. ^ Rowland 1999, p. 123.
  41. ^ a b “Novels of the Week”. The Spectator (London) 82 (3690): 385. (1899年3月18日). http://archive.spectator.co.uk/article/18th-march-1899/20/novels-of-the-week. 
  42. ^ a b Valentine 2008, p. 78.
  43. ^ Hornung 1907b, p. 15.
  44. ^ Bloom 1995, p. 15.
  45. ^ “The Black Mask. By E. W. Hornung. (Grant Richards. 6s.)”. The Spectator (London) 87 (3825): 565. (1901年10月19日). http://archive.spectator.co.uk/article/19th-october-1901/21/the-black-mask-by-e-w-hornung-grant-richards-6s. 
  46. ^ “Journeymen of Fiction”. The Illustrated London News (London): p. 840. (1901年11月30日) 
  47. ^ a b Rowland 1999, p. 258.
  48. ^ a b c Rowland 1999, p. 261.
  49. ^ Rowland 1999, p. 180.
  50. ^ Rowland 1999, pp. 190 & 194–95.
  51. ^ a b “New Novels”. The Observer (London): p. 3. (1909年9月19日) 
  52. ^ a b Valentine 2008, p. 79.
  53. ^ Rowland 1999, p. 208.
  54. ^ Rowland 1999, pp. 218–19.
  55. ^ Valentine 2008, pp. 79–80.
  56. ^ Rowland 1999, p. 222.
  57. ^ Rowland 1999, pp. 221–22.
  58. ^ a b c d Cox 1988, p. 176.
  59. ^ a b c “Death of Mr. Hornung”. The Times (London): p. 13. (1921年3月24日) 
  60. ^ Wooden Crosses. [A poem.]”. British Library Catalogue. London: British Library. 2013年12月20日閲覧。
  61. ^ Hornung, E.W. (1917年9月25日). “Bond And Free”. The Times (London): p. 9 
  62. ^ Rowland 1999, p. 225.
  63. ^ Rowland 1999, pp. 226 & 234–35.
  64. ^ Lycett 2008, pp. 390–91.
  65. ^ Rowland 1999, pp. 242–46.
  66. ^ Rowland 1999, p. 246.
  67. ^ Rowland 1999, p. 247.
  68. ^ Rowland 1999, p. 248.
  69. ^ Rowland 1999, pp. 248–49.
  70. ^ Hurren, Kenneth (1975年12月13日). “Return of the Native”. The Spectator (London) (7694): 25. http://archive.spectator.co.uk/article/13th-december-1975/25/return-of-the-native. 
  71. ^ Rowland 1999, p. 250.
  72. ^ a b Gariepy 1985, p. 111.
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  74. ^ Valentine 2008, p. 82.
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  76. ^ a b Gariepy 1985, p. 115.
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  78. ^ Rowland 1999, pp. 263–64.
  79. ^ Rowland 1999, pp. 268–69.
  80. ^ Rowland 1999, p. 274.
  81. ^ Raffles, the Amateur Cracksman”. AFI Catalog. American Film Institute. 2014年2月8日閲覧。
  82. ^ Raffles, the Amateur Cracksman”. AFI Catalog. American Film Institute. 2014年2月8日閲覧。
  83. ^ Mr Justice Raffles (1921)”. British Film Institute. 2014年2月7日閲覧。
  84. ^ Rowland 1999, pp. 261–62.
  85. ^ Raffles, the Amateur Cracksman (1925)”. British Film Institute. 2014年2月7日閲覧。
  86. ^ Raffles (1930)”. British Film Institute. 2014年2月7日閲覧。
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  90. ^ Rowland 1999, p. 269.
  91. ^ Banks-Smith, Nancy (1977年2月26日). “Raffles and Bunny”. The Guardian (London): p. 8 
  92. ^ Banks-Smith, Nancy (2001年7月11日). “Cutglass vowels and strangled yowls in the last summer of peace”. The Guardian (London): p. 22 
  93. ^ Edwards, Oliver (1966年6月2日). “The Rest of Willie”. The Times (London): p. 18 
  94. ^ a b Watson 1971, p. 48.
  95. ^ a b Hornung & Lewis 1985, p. xvii.
  96. ^ Orwell 1993, pp. 212–13.
  97. ^ Edwards, Oliver (1956年3月22日). “A.J. Raffles”. The Times (London): p. 13 
  98. ^ a b c d Rance 1990, p. 3.
  99. ^ Rance 1990, pp. 5–6.
  100. ^ Rance 1990, pp. 14–15.
  101. ^ Rance 1990, pp. 14–17.
  102. ^ Rance 1990, p. 17.
  103. ^ Rowland 1999, pp. 211–12.
  104. ^ Butler 1973, p. 38.
  105. ^ a b Butler 1973, p. 37.
  106. ^ Hornung & Lewis 1985, p. vii.
  107. ^ Hornung 1907b, p. 265.
  108. ^ Cox 1988, p. 175.
  109. ^ Cox 1988, pp. 174–75.
  110. ^ a b Chandler 1907, p. 512.
  111. ^ Gariepy 1985, p. 113.
  112. ^ Hornung 1907a, p. 65.
  113. ^ Butler 1973, p. 36.
  114. ^ Hornung 1907a, p. 66.
  115. ^ Valentine 2008, p. 77.
  116. ^ Orwell 1993, p. 213.


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