Don Quixote de Orson Welles
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/03 08:37 UTC 版)
「ドン・キホーテ (未完成映画)」の記事における「Don Quixote de Orson Welles」の解説
1990年、スペインのプロデューサーのパトクシ・イリゴイェン(Patxi Irigoyen)と監督のジェス・フランコが、現存する『ドン・キホーテ』のフィルムに関する権利を得た。多くのソースから素材が提供され、その中にはクロアチア人女優のオヤ・コダールや、ウェルズの映画版『オセロ』でデズデモーナ役を演じたカナダ人女優のシュザンヌ・クルーティエなどもいた 。 しかし、イリゴイェンとフランコはマコーマックの出演フィルムを得ることはできなかった。このフィルムには、騎士の戦いが出てくる映画を上映中の銀幕を、ドン・キホーテが破るシーンが含まれていた。このフィルムを所有していたのはイタリアの映画編集者マウロ・ボナンニで、コダールとフィルムの権利を巡って法廷で争った。ボナンニはイリゴイェンとフランコの企画に所有するフィルムを加えることを拒んだ。だが後に、ボナンニはイタリアのテレビでいくつかのシーンを放映することを許可している。 ウェルズのフィルムを統合する際に、イリゴイェンとフランコはいくつかの問題に直面した。35mm、16mm、スーパー16mmの3つの異なる形式のフィルムが使われており、画質がバラバラだったのである。上映されていなかったことも足かせとなった。ウェルズは自身によるナレーションと主要な人物の対話が入った1時間のサウンドトラックを収録していたが、フィルムの他の部分は無音だった。ウェルズの未完の作業で残された無音部分を埋めるべく、新しい脚本が作られ、声優があてられた。 イリゴイェンとフランコの作品は“Don Quixote de Orson Welles”(オーソン・ウェルズのドン・キホーテ)として、1992年カンヌ映画祭のプレミアで上映された。所見の反応の大部分は不評で、このバージョンがアメリカで劇場公開されることはなかった。2008年9月にアメリカで“Orson Welles' Don Quixote”として、イメージ・エンタテイメント(Image Entertainment)よりDVD版がリリースされた。
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