Domperidoneとは? わかりやすく解説

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ドンペリドン

分子式C22H24ClN5O2
その他の名称ドンペリドン、KW-5338、R 33,812、Domperidone、5-Chloro-1-[1-[3-(2,3-dihydro-2-oxo-1H-benzimidazol-1-yl)propyl]-4-piperidinyl]-1,3-dihydro-2H-benzimidazol-2-one、1-[3-[4-(5-Chloro-2-oxo-2,3-dihydro-1H-benzimidazol-1-yl)-1-piperidyl]propyl]-2,3-dihydro-1H-benzimidazol-2-one、ナウゼリン、Nauzelin、エボキシンガストロノーム、モチリウム、ペリドン、Evoxin、Evoxin suppos、Gastronorm、Motilium、Motiliumsupp、Motilum、Peridon、Peridys、エボキシンアルカロイド】、Domepiridone、ドメピリドン、R-33812、アースレナン、Arcelenan、ジャックマール、Jackmar、セロベース、Selovase、ダリック、Dalic、ドンペネマ、Donpenema、ドンペリン、Domperin、ナウザート、Nauzart、ナシロビン、Nasirobin、ノーゼア、Nausea、ハドドリン、Hadodolin、フォリメジン、Forimezin、ペリゼリン、Perizelin、ペロリック、Peroric、ミオナゼリン、Mionazelin、モンロビア、Monlobia、ドンペリン-DS、Domperin-DS、Evoxin【alkaloid
体系名:5-クロロ-1-[1-[3-[(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール)-1-イル]プロピル]-4-ピペリジニル]-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-オン、1-[3-[4-(5-クロロ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1-ピペリジル]プロピル]-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾイミダゾール-2-オン、5-クロロ-1-[1-[3-(2,3-ジヒドロ-2-オキソ-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)プロピル]-4-ピペリジニル]-1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-オン


ドンペリドン

(Domperidone から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/02 13:46 UTC 版)

ドンペリドン
臨床データ
投与経路 経口、経直腸
ATCコード
  • A03FA03 (WHO)
法的地位
薬物動態データ
生体利用率
タンパク結合 91–93%
代謝 肝臓初回通過効果
消失半減期 7時間
排泄 乳汁腎臓
識別子
CAS登録番号
PubChem
CID
DrugBank
ChemSpider
KEGG
CompTox
Dashboard
(EPA)
ECHA InfoCard 100.055.408
化学的および物理的データ
化学式 C22H24ClN5O2
分子量 425.911 g/mol g·mol−1
3D model
(JSmol)
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ドンペリドン: Domperidone)は、ドーパミン受容体拮抗薬の一つで、制吐薬消化管機能改善薬として利用されている。商品名ナウゼリン協和発酵キリン)。

抗精神病薬と同様の機序であり、副作用も高プロラクチン血症による乳汁の分泌、無意識的に身体が動く治療法のない遅発性ジスキネジアなどである。

作用機序

ドーパミンD2受容体が活性化すると吐き気嘔吐が起こる。またアセチルコリンの遊離が減少するため、胃運動が低下する。

ドンペリドンはこのD2受容体への拮抗作用により吐き気を抑え、上部消化管の運動機能を調整(促進)する。

D2受容体は延髄のCTZ(化学受容器引き金帯)や上部消化管に存在するが、ドンペリドンは血液脳関門を通過しにくく、中枢へはほとんど移行しないため、CTZのD2受容体への作用は弱く、主に上部消化管のD2受容体に作用する。そのため、作用機構がよく似たメトクロプラミド(中枢に移行する)に比べて副作用が起きにくく、安全性が高い。

副作用

D2受容体の刺激によりプロラクチンの分泌が抑制されるが、ドンペリドンはそのD2受容体を遮断するため、プロラクチンの分泌が促進され、乳汁分泌、乳房膨満感、月経異常、女性化乳房などの副作用が現れることがある。

その他、下痢便秘腹痛などの消化器系の症状や、錐体外路症状肝機能異常、めまい、眠気が現れることがある。

また、海外で重篤な心室性不整脈・心臓病死が起きたことから、長期使用者、高齢者、心疾患のある患者には注意が必要と思われる。また、QT延長が知られている薬剤との併用、強力なCYP3A4阻害薬との併用も薦められない。

ナウゼリン錠10(協和発酵キリン)

効能・効果

下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、あい気)

成人:慢性胃炎、胃下垂症、胃切除後症候群、抗悪性腫瘍剤またはレボドパ製剤投与時

小児:周期性嘔吐症、上気道感染症、抗悪性腫瘍剤投与時

用法・用量

成人では通常、1回10mgを13回食前に経口服用する。ただし、レボドパ製剤服用時には1回5~10mgを1日3回食前に経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

小児では通常、1日1.0~2.0mg/kgを1日3回食前に分けて経口服用する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。ただし、1日服用量は30mgを超えてはならない。また、6歳以上の場合は1日最高用量は1.0mg/kgを限度とする。

妊婦について

従来は添付文書での妊婦への使用の記載は「禁忌」であったが、2025年5月に禁忌の記載が削除され、妊婦の項は「妊娠又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」に変更となった[1][2]。禁忌の根拠は200mg/kg/日の用量でのラット胎児の催奇形性だが、1.70mg/kg/日(最大推奨臨床用量の約23倍)では催奇形性が認められなかった、2.日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会の「産婦人科診療ガイドライン産科編2023」では「妊娠初期のみ使用された場合、臨床的に有意な胎児への影響はないと判断してよい医薬品」の一覧に記載がある、3.海外の添付文書において妊婦への使用が禁忌とされていないことから記載削除となった[1][2]。厚生労働省に対してドンペリドンの禁忌の適正性を検討し、妊婦禁忌解除妥当の報告書を提出した国立成育医療研究センターに組織されたワーキンググループ(WG)では[3]、服用した女性が、妊娠の判明後にドンペリドンが妊婦禁忌であることを知り、不安から人工妊娠中絶を選択している可能性について指摘していた[1][2]

日本の国立成育医療研究センターおよび虎の門病院が実施した疫学研究では、奇形発生率はドンペリドンを服用した妊婦(D群)で2.9%(14/485、95%CI:1.6~4.8%)、非催奇形性の薬剤のみを服用した妊婦(C群)で1.7%(27/1,554、95%CI:1.1~2.5%)であり、D群の方が若干高値ではあるものの有意差はなく、高い傾向にあるとも言えない結果となった(調整後オッズ比:1.86、95%CI:0.73~4.70、P=0.191)[4]

脚注

  1. ^ a b c ドンペリドン添付文書”. ドンペリドン添付文書. 厚生労働省 (2025年5月). 2025年1月2日閲覧。
  2. ^ a b c “ドンペリドンの妊婦禁忌が削除へ”. 日経DI. (2025年5月7日). https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/202505/588586.html 2026年1月2日閲覧。 
  3. ^ 吐き気止めに使われる薬・ドンペリドンの"妊婦禁忌"解除へ ~薬を服用した妊婦さんが、安心して妊娠を継続できる環境の整備へ貢献~ | 国立成育医療研究センター”. www.ncchd.go.jp. 国立成育医療研究センター (2025年4月28日). 2026年1月2日閲覧。
  4. ^ Hishinuma, Kayoko; Yamane, Ritsuko; Yokoo, Ikuko; Arimoto, Takahide; Takahashi, Kunihiko; Goto, Mikako; Saito, Yoshiyuki; Nakajima, Ken et al. (2021-02-25). “Pregnancy outcome after first trimester exposure to domperidone—An observational cohort study” (英語). Journal of Obstetrics and Gynaecology Research: jog.14709. doi:10.1111/jog.14709. ISSN 1341-8076. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jog.14709. 

関連項目

参考文献

  • 今泉, 祐治、田辺, 光男、小野, 秀樹、ほか 著、渡辺稔 編著 編『薬理学 ─基礎から薬物治療学へ』朝倉書店〈薬学テキストシリーズ〉、2007年4月15日、253-258頁。 ISBN 9784254362619NCID BA81617496 
  • 高久史麿・矢崎義雄監修、関顕ほか編 編『治療薬マニュアル 2006』医学書院、2006年1月、677-678頁。 ISBN 4260001396NCID BN04267722 

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