DSKYユーザインタフェース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/16 18:10 UTC 版)
「アポロ誘導コンピュータ」の記事における「DSKYユーザインタフェース」の解説
ユーザインタフェースユニットはDSKY (display and keyboard) と呼ばれ、通常「ディスキー」と発音した。一連の指示灯、数値表示ディスプレイ、電卓型のキーボードから成る。コマンドは数字で入力され、Verb部とNoun部という2つの数値を入力する。Verb は動作の種類を指定し、Noun は Verb コマンドによって変更されるデータを指定する。 表示は高電圧エレクトロルミネセンス・ディスプレイであり、数字毎に7セグメントで表示され、それを並べて数字列を表している。セグメントは電気機械式リレーで制御されるため、表示の更新速度が制限される(Block IIではもっと高速なシリコン制御整流器が使われている)。3行の5桁の数字で八進数か十進数が表示される。この3つの数値で宇宙船の姿勢を表すベクトルを表示したり、必要な速度変化のベクトルを表示したりする。データは内部では国際単位系で保持されているが、表示は米国慣用単位(ヤード・ポンド法)を使っている。この電卓型インタフェースは、このタイプのものとしては世界初のデジタル制御パネルである。 司令船はふたつのDSKYを備えていた。ひとつはメイン計器パネルにあり、もうひとつは六分儀のそばに設置されて慣性誘導装置を調整するのに使われた。月着陸船にはひとつのDSKYがAGCに接続されていた。指令船のメイン計器パネルと月着陸船のDSKYには、そのすぐ上にAGCが制御している航行指示装置 (FDAI) がある。 2009年、DSKY1台が Heritage Auctions にて一般向けオークションに出品され、50,788ドルで落札された。
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