DEVステンレス客車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 06:49 UTC 版)
1950年代にフランス国鉄の客車研究部(Division des études des voitures, DEV)の設計した客車。車体をアメリカ合衆国バッド社のライセンスで製造したステンレス製とすることで、従来の客車より軽量化されている。 1956年にパリ - ニース間の特急列車「ル・ミストラル」向けに製造された車両は「ミストラル1956形」とも呼ばれ、一等コンパートメント車とコンパートメント・バー合造車からなる。最高速度は160km/h。1965年のミストラルのTEE昇格とともにTEEの車両となった。ステンレス製であるためTEEの標準色とは異なり、車体は無塗装で窓の上に細い赤帯と"TRANS EUROP EXPRESS"の金文字が入る。 1969年にミストラルに新型車両が投入されてからはアルバレート(パリ - チューリッヒ)やゲーテ(パリ - フランクフルト・アム・マイン)に転用されたが、このころには新型のTEE用客車と比べると見劣りするようになっていたため評判は好ましいものではなかった。1976年にTEE運用からは退き、その後はフランス国内の列車などに用いられた。1980年代には一部の客車が二等車に格下げ改造されている。1989年9月をもってフランス国内での運用を終え、1990年には24両がセネガルに譲渡された。 このほか、1978年に運行を始めたパリ - トゥールコワン間のTEE(フェデルブ、ガヤン、ヴァトー)も短期間ではあるが1950年代のステンレス客車(ミストラルのものとは異なる)を用いていた。
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