上述した3種が、もっともよく知られているローズウッド類の木材ですが、さらにこの属の数種が、ローズウッドとして知られています。ローズウッド類は、世界的によく知られている銘木の一つです。しかし、最近では、一寸色が似ている他の樹種に「……ローズウッド」のような名前をつけていることがあります。しかし、本物のローズウッドはこの属の木材だけです。 唐木と呼ばれる木材の一つで、もっとも珍重されてきているのは、D.cochinchinensis です。 D.cochinchinensis は、東南アジアの大陸に、D. latifolia (イーストインディアンローズウッド)は、東南アジアの大陸とインドネシアに、D. nigra (ブラジリアンローズウッド)は南米(とくにブラジル)に産します。この他に古くからマリンバに使われているのはこの属のD. stevesonii(ホンジュラスローズウッド)で、また、クラリネット用材として知られているのはD. melanoxylon (アフリカンブラックウッド)です。 ■木材 心材の色は、赤色、赤紫色、紫色などで、一般的には、これらが縞になって美しい模様を作ることが多く、ときには真黒なもの(D.melanoxylon)まであります。木材はほとんどが重硬で、気乾比重は1.09(D.co-chinchinensis)、0.75~0.90(D.nigra)、0.84(D. latifolia)などです。 ■用途 材面が美しいことと、高価なことから、高級家具、キャビネット、内装用、器具の柄などに使われます。一般に見られるものはスライスドベニヤとして使われたものでしょう。 |