クーペ
クーペとは、一般的には、2人乗りを前提に2ドアかつ前席重視で設計された、多分に趣味性の強い乗用車、のことである。昨今ではセダン等との区分が曖昧になっており、おおよそ「スポーティな走りを楽しむためのクルマ」程度の意味で用いられている趣が色濃い。
クーペはフランス語に由来する言葉で、もともとは「4輪・2人乗り・箱型の馬車」を指す語だった。この区分が引き継がれる形で、クーペ型馬車の形状の自動車がクーペと呼ばれている。
乗用車の車体形状は「箱型」「幌型」「ステーションワゴン」のいずれかに区分される。クーペは「箱型」に該当する。セダン(sedan)も箱型である。SUVやトールワゴンは「ステーションワゴン」に該当する。幌型はいわゆるオープンカーである。
クーペとセダンは同じ3ボックス形状の箱型乗用車であり、一般論としては「セダンは後席重視で4ドアが多く乗り心地(静粛性や居住性)に優れる」「クーペは前席重視で2ドアが多く運動性能(排気量やハンドリング)およびデザイン性に優れる」といった特徴をもつ。
クーペとセダンの区別は、多分にメーカー側の申告・主張に依拠していることもあり、多分に曖昧である。クーペ的特徴を持った2ドアセダンや、居住性重視の4ドアクーペなどもある。
クーペ【(フランス)coupé】
クープ【(フランス)coupe】
クーペ
(Coupe から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 03:59 UTC 版)
クーペ(仏: coupé クペ、クッペ[注 1])とは、車体形状や使用形態により分類される自動車の形態のひとつで、1列もしくは、2列シートを有し、2枚ドアの箱型乗用車[1]のことである。
注釈
- ^ フランス語発音は[kupe]で、「クペ」または「クッペ」(アポロ仏和辞典・角川書店 ISBN 4-04-012700-5)となる。発音記号でもkupeで短母音である。カタカナで一般的に表記される「クーペ」という長母音の表記は、本来のフランス語発音からは間違ったものとなる。
- ^ 古くはトランク、つまりキャビンの外に収納式の補助席を持つものが一般的であった。
- ^ fast の発音が fˈæst または fάːst のため、日本語では「ファーストバック」と表記、発音する場合もある。「ファーストフード#「fast food」の仮名表記」も参照。
- ^ 当時のハードトップに4ドア車は少なく、主に2ドアか、バックドアを持つ3ドアであった。
- ^ フォード・マスタングやTE37カローラレビン/TE47スプリンター・トレノなど。
- ^ アメリカ・フォードは初代フォード・マスタングで、「マッハ1」や「コブラ」などのスポーツ系モデルをファストバック、「グランデ」を始めとするラグジュアリー系モデルをノッチバックとしており、マスタングをベースとした上級車種のマーキュリー・クーガーもノッチバックとするなどの使い分けを行なっていた。
- ^ 発売当初のみの設定。1972年にセリカリフトバックが追加されたことに伴い廃止。
- ^ コッペパンの「コッペ」も同じ由来。もともとフランス語起源の言葉なので、フランス語圏以外でも「coupé」と「e」の上にアクサンテギュを付けて綴られる例がしばしばある。なお、イギリス英語での発音は[kuːˈpei](クーペイ)とアクセントが後ろにあり、カナダ英語およびアメリカ英語発音は[ˈkuːp](クープ)とアクセントが前にある。
- ^ フランス語は、英語と異なり、基本的には形容詞は名詞の後ろに配置する基本からはずして形容詞を名詞の前に配置する場合は、特別なニュアンスを帯びたり、若干意味が異なることがある。
出典
- ^ 広辞苑第六版【クーペ】
- ^ a b 沼田亨「コーダ・トロンカ大集合」『カーグラフィック 2011年6月号』カーグラフィック、2012年、198頁
- ^ ポルシェの通期決算、営業利益は25%増…過去最高 2015年
- ^ MNISSAN HERITAGE COLLECTION ダットサン16型クーペ
- ^ 例:トヨタ・サイノス、日産・ルキノクーペ、三菱・ミラージュアスティなど。
- ^ 『社団法人 日本自動車販売協会連合会』統計データより
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