圧縮率
コンプレッションレシオ
ピストンが下死点にあるとき、ピストンより上方の空間容積と、ピストンが上死点にあるときのそれとの比をいう。圧縮比とも呼ぶ。ひとつのシリンダーの行程容積をVhとし、ガスケット部分も含む燃焼室容積をVcとすると、圧縮比=(Vc+Vh)÷Vc=1+Vh/Vcと定義される。理論サイクルにおいては圧縮比の増大とともに熱効率は増大するが、現実のエンジンではノッキングの発生や冷却損失の増大のため、自然吸気(NA)のガソリンエンジンでは15が限界である。以前は9以下が常識であったが、燃焼室の改良などにより、最近では10.5前後が普通になっている。今日のF1エンジンでは13程度が用いられている。これに対してディーゼルエンジンでは着火温度を得るため圧縮比は高く、かつては20以上が主流であったが、現在では排気清浄化や騒音低減の点からこれより低く設定される。
参照 クリアランスボリューム圧縮比
(Compression ratio から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/08 06:30 UTC 版)
圧縮比(あっしゅくひ、英: Compression Ratio、CR)とは、内燃機関および外燃機関の内燃室(ないねんしつ)において、最も容積が大きくなる時の容量と、最も容積が小さくなる時の容量の比率を表す値であり、一般的な熱機関の基本的な仕様となる値でもある。
- ^ Encyclopedia Britannica, Compression ratio 2009年7月21日閲覧。
- ^ なお、この例ではヘッドガスケットの厚さなどのクレビスボリュームは考慮していないので注意されたい。
- ^ このような手法を採ることで、燃焼室形状自体には手を付けることなく圧縮比を調整することが可能となるため、チューニングでピストンを交換する際には交換前後のピストンヘッド側のへこみの容積の把握も重要となる。
- ^ 4ストロークエンジンはピストン下死点で既に吸排気バルブが閉じており、この状態での容積を総排気量として圧縮比の計算を行えるが、2ストロークエンジンの場合はピストンが下死点から上昇しても吸排気ポートが開いている関係上ポートから圧縮圧力が逃げてしまう。そのため排気ポートが完全に閉じるポートタイミングを基点に総排気量を決定する必要があるので、2ストロークは同じボア×ストロークのシリンダーでも実質的な総排気量が低下してしまう=計算で算出される圧縮比も低下してしまうのである。
- ^ ヤマハ・DT50の国内仕様及び現行欧州仕様の諸元比較
- ^ プラグによる簡単な圧縮比UP
- ^ Saab Variable Compression engine Archived 2005年3月11日, at the Wayback Machine.
「Compression ratio」の例文・使い方・用例・文例
- 彼の最初の本「Separation」もとても人気になった。
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