ピーク信号対雑音比とは? わかりやすく解説

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ピーク信号対雑音比

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 14:26 UTC 版)

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ピーク信号対雑音比 は画質の再現性に影響を与える、信号が取りうる最大のパワー[注釈 1]と劣化をもたらすノイズ[注釈 2]の比率を表す工学用語で、しばしばPSNR(Peak signal-to-noise ratio) と略される。多くの信号はダイナミックレンジが非常に広いため、PSNR比は通常10を底にした常用対数で表される。

PSNRが最も一般的に使用されるのは、画像圧縮など非可逆圧縮を使ったコーデックの再現性の品質の尺度としてである。その場合の信号は元データであり、ノイズは圧縮によって生じた誤りである。通常はPSNRが高い方が高画質であるが、場合によっては低いPSNRにもかかわらず元の画像に近いように人間に知覚される場合があるため、圧縮に用いるコーデック同士を比較する際はPSNR値はあくまで目安とすべきである。PSNRの数値を比較に用いる場合は適用可能な場合について注意を払わなければならない。数値が理論的に有効といえるのは同じコーデック(またはコーデックの種類)で同じ元の画像の結果を比較した場合のみである[1][2]

PSNRの最も簡単な定義はモノクロの2つの m×n の画像 I K において、一方の画像が他方の画像よりもノイズにより劣化したものと見なされる時に、平均二乗誤差(MSE)を以下とした場合:

Q=90, PSNR 45.53dB
Q=30, PSNR 36.81dB
Q=10, PSNR 31.45dB
Original uncompressed image.
Example luma PSNR values for a cjpeg compressed image at various quality levels.

関連項目

注釈

  1. ^ 電気信号ならpowerを電力と訳すのは正しいが、画像の信号では、訳すならむしろ輝度などにする方が良い。しかしPSNRは画像以外の比較にも使用可能であるしパワー程度の単語なら理解されるためパワーとした。
  2. ^ 音響の分野でnoiseを雑音と訳すのは正しいが、"画質の雑音"ではおかしいため、記事名称やSN比の表現とは統一がとれなくなるがノイズとした。
  3. ^ これは意味的に元のアナログ信号をリニアPCMで量子化する事と解釈して意訳した。

参照

  1. ^ Huynh-Thu, Q.; Ghanbari, M. (2008). “Scope of validity of PSNR in image/video quality assessment”. Electronics Letters 44 (13): 800. doi:10.1049/el:20080522. ISSN 00135194. 
  2. ^ MIT.edu
  3. ^ Oriani, Emanuele. “qpsnr: A quick PSNR/SSIM analyzer for Linux”. 2011年4月6日閲覧。
  4. ^ Image Processing Science calculating RMSE and PSNR for color images”. 2011年4月6日閲覧。
  5. ^ pnmpsnr User Manual”. 2011年4月6日閲覧。
  6. ^ Welstead, Stephen T. (1999). Fractal and wavelet image compression techniques. SPIE Publication. pp. 155-156. ISBN 978-0819435033. https://books.google.co.jp/books?id=evGyv-mogukC&lpg=PA155&dq=image+compression+acceptable+PSNR&pg=PA156&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q=image%20compression%20acceptable%20PSNR&f=false 
  7. ^ Barni, Mauro, ed (May 2006). “Fractal Image Compression”. Document and image compression (CRC Press) 968: 168-169. ISBN 9780849335563. https://books.google.co.jp/books?id=FmqPOsEYRsEC&lpg=PA229&dq=image+compression+acceptable+PSNR&pg=PA168&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q=PSNR&f=false 2011年4月5日閲覧。. 
  8. ^ Thomos, N., Boulgouris, N. V., & Strintzis, M. G. (2006, January). Optimized Transmission of JPEG2000 Streams Over Wireless Channels. IEEE Transactions on Image Processing , 15 (1).
  9. ^ Xiangjun, L., & Jianfei, C. Robust transmission of JPEG2000 encoded images over packet loss channels. ICME 2007 (pp. 947-950)。School of Computer Engineering, Nanyang Technological University.

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ピーク信号対雑音比(PSNR)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/20 17:01 UTC 版)

SN比」の記事における「ピーク信号対雑音比(PSNR)」の解説

最大電力雑音比率をピーク信号対雑音比(PSNR: Peak signal-to-noise ratio)と呼ぶ。

※この「ピーク信号対雑音比(PSNR)」の解説は、「SN比」の解説の一部です。
「ピーク信号対雑音比(PSNR)」を含む「SN比」の記事については、「SN比」の概要を参照ください。

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