ピーク・エンドの法則とは?

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ピーク・エンドの法則の意味・解説 

ピーク・エンドの法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/24 21:46 UTC 版)

ピーク・エンドの法則(ピーク・エンドのほうそく、英語:peak–end rule)とは、われわれは自分自身の過去の経験を、ほとんど完全にそのピーク(絶頂)時にどうだったか(嬉しかったか悲しかったか)ならびにそれがどう終わったかだけで判定する、という法則である。ピーク以外の情報が失われることはないが、比較には使われない。それには喜びもしくは悲しみの総量、またその経験がどのくらい持続したかですらも含まれる。

ある実験では、あるグループの人が大音量の不快な騒音にさらされた。2番目のグループは、1番目の人々と同じ大音量の不快な騒音にさらされたが、その最後に幾分ましな騒音が追加されていた。この2番目のグループのこの騒音聴取の体験の不快さの評価は、1番目のグループの人たちよりも低かった。最初の同一の騒音区間に加え、不快さを抑えた引き延ばされた区間があり、1番目のグループよりさらに不快であったはずであるにも関わらずである。

このヒューリスティクスは、ダニエル・カーネマン他によって初めて提案された。カーネマンは、人々が経験をその合計ではなく平均で知覚することから、これが代表性ヒューリスティックの例かもしれないと主張する。

参考文献

  • Kahneman, Daniel. (1999). Objective Happiness. In Kahneman, Daniel., Diener, Ed. and Schwarz, Norbert. (eds.). Well-Being: The Foundations of Hedonic Psychology. New York: Russel Sage. pp. 3-25. ISBN 978-0871544247.

関連項目


ダニエル・カーネマン

(ピーク・エンドの法則 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/17 10:22 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ダニエル・カーネマン
Daniel KAHNEMAN.jpg
生誕 (1934-03-05) 1934年3月5日(84歳)
イギリス委任統治領パレスチナ, テルアビブ
居住 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国, イスラエルの旗 イスラエル
研究分野 心理学, 行動経済学
研究機関 プリンストン大学 1993年–
カリフォルニア大学バークレー校 1986–93年
ブリティッシュコロンビア大学 1978–86年
行動科学高等研究センター 1972–73年
エルサレム・ヘブライ大学 1961–77年
出身校 カリフォルニア大学バークレー校 Ph.D, 1961年
エルサレム・ヘブライ大学 B.A., 1954年
博士課程
指導教員
スーザン・M・エルヴィン=トリップ
主な業績 認識バイアス
行動経済学
プロスペクト理論
主な受賞歴 アメリカ心理学会 Lifetime Achievement Award (2007年)
ノーベル経済学賞 (2002年)
アメリカ心理学会 Distinguished Scientific Contribution Award (1982年)
プロジェクト:人物伝
ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2002年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:行動経済学と実験経済学という新研究分野の開拓への貢献を称えて

ダニエル・カーネマンDaniel Kahneman1934年3月5日 - )は、経済学認知科学を統合した行動ファイナンス理論及びプロスペクト理論で有名なアメリカ合衆国ユダヤ人)の心理学者行動経済学者

経歴

学会

栄誉・受賞

業績

プロスペクト理論

  • プロスペクト理論(prospect theory)は、不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。この理論は、1979年、ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーによって発展した。

ヒューリスティクスとバイアス

  • 心理学におけるヒューリスティックは、人が複雑な問題解決等のために何らかの意思決定を行う際、暗黙のうちに用いている簡便な解法や法則のことを指す。これらは経験に基づく為、経験則と同義で扱われる。判断に至る時間は早いが、必ずしもそれが正しいわけではなく、判断結果に一定の偏り(バイアス)を含んでいることが多い。ヒューリスティックの使用によって生まれている認識上の偏りを、認知バイアスと呼ぶ。
  • ダニエル・カーネマン、ポール・スロヴィックエイモス・トベルスキー共著、『Judgment Under Uncertainty: Heuristics and Biases』、1982年、およびT・ギロヴィッチ、D・グリフィン、ダニエル・カーネマン共編、『Heuristics and biases: The psychology of intuitive judgment』、2002年参照。

ピーク・エンドの法則

  • ピーク・エンドの法則Peak-end rule)とは、ダニエル・カーネマンが1999年に発表した、あらゆる経験の快苦の記憶は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦の度合いで決まるという法則のことである。

ノーベル経済学賞受賞について

ノーベル経済学賞を受賞したことについて、カーネマンは「心理学者はノーベル賞受賞を喜びはするが、私を特別な存在にするとは思わない」と述べている[2]

著書

日本語訳

  • 『ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る』、友野典男・山内あゆ子共訳、楽工社、2011年
  • 『ファスト&スロー』、ダニエル カーネマン 著, 村井 章子 著・訳、早川書房、2012年

原著

単著

  • Kahneman, D. (1973). Attention and effort. Englewood Cliffs, NJ: Prentice-Hall.
  • Thinking Fast and Slow. publisher: Farrar, Straus and Giroux, New York (October 25, 2011).

共編著

  • Kahneman, D., Slovic, P., & Tversky, A. (1982). Judgment Under Uncertainty: Heuristics and Biases. New York: Cambridge University Press.
  • Kahneman, D., Diener, E., & Schwarz, N. (Eds.). (1999). Well-being: The foundations of hedonic psychology. New York: Russell Sage Foundation.
  • Kahneman, D., & Tversky, A. (Eds.). (2000). Choices, values and frames. New York: Cambridge University Press and Russell Sage Foundation.
  • Gilovich, T., Griffin, D., & Kahneman, D. (Eds.). (2002). Heuristics and biases: The psychology of intuitive jadgment. New York: Cambridge University Press.
  • Diener, E., Helliwell, J.F., & Kahneman, D. (Eds.). (2010). International differences in well-being. New York: Oxford University Press.

論文

  • Tversky, A.; Kahneman, D. (1971). "Belief in the law of small numbers". Psychological Bulletin 76 (2): 105–110.
  • Kahneman, D.; Tversky, A. (1972). "Subjective probability: A judgment of representativeness". Cognitive Psychology 3 (3): 430–454.
  • Kahneman, D.; Tversky, A. (1973). "On the psychology of prediction". Psychological Review 80 (4): 237–251.
  • Tversky, A.; Kahneman, D. (1973). "Availability: A heuristic for judging frequency and probability". Cognitive Psychology 5 (2): 207–23.
  • Tversky, A.; Kahneman, D. (1974). "Judgment under uncertainty: Heuristics and biases". Science 185 (4157): 1124–1131.
  • Kahneman, D.; Tversky, A. (1979). "Prospect theory: An analysis of decisions under risk". Econometrica 47 (2): 263–291.
  • Tversky, A.; Kahneman, D. (1981). "The framing of decisions and the psychology of choice". Science 211 (4481): 453–458.
  • Kahneman, D.; Tversky, A. (1984). "Choices, values and frames". American Psychologist 39 (4): 341–350.
  • Kahneman, D.; Miller, D.T. (1986). "Norm theory: Comparing reality to its alternatives". Psychological Review 93 (2): 136–153.
  • Kahneman, D.; Knetsch, J.L.; Thaler, R.H. (1990). "Experimental tests of the endowment effect and the Coase theorem". Journal of Political Economy 98 (6): 1325–1348.
  • Fredrickson, B. L.; Kahneman, D. (1993). "Duration neglect in retrospective evaluations of affective episodes". Journal of Personality and Social Psychology 65 (1): 45–55.
  • Kahneman, D.; Lovallo, D. (1993). "Timid choices and bold forecasts: A cognitive perspective on risk-taking". Management Science 39: 17–31.
  • Kahneman, D.; Tversky, A. (1996). "On the reality of cognitive illusions". Psychological Review 103 (3): 582–591.
  • Schkade, D. A.; Kahneman, D. (1998). "Does living in California make people happy? A focusing illusion in judgments of life satisfaction". Psychological Science 9 (5): 340–346.
  • Kahneman, D. (2003). "A perspective on judgment and choice: Mapping bounded rationality". American Psychologist 58 (9): 697–720.
  • Kahneman, D.; Krueger, A.; Schkade, D.; Schwarz, N.; Stone, A. (2006). "Would you be happier if you were richer? A focusing illusion". Science 312 (5782): 1908–10.

脚注

  1. ^ Nobel Prize Predictions, 2002-09
  2. ^ 矢沢サイエンスオフィス編著 『21世紀の知を読みとく ノーベル賞の科学 【経済学賞編】』 技術評論社、2010年、26頁。

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ピーク・エンドの法則」の関連用語

ピーク・エンドの法則のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



ピーク・エンドの法則のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのピーク・エンドの法則 (改訂履歴)、ダニエル・カーネマン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2019 Weblio RSS