CAPTAS / CAPTAS NANO
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 03:07 UTC 版)
「CAPTAS」の記事における「CAPTAS / CAPTAS NANO」の解説
CAPTASは、ATASをもとに可変深度ソナーとしての性格を付与したものである。すなわち、アメリカの初期のTACTASSであるSQR-18A(V)1と同様に、艦から可変深度ソナー(VDS)と同様の曳航体(Towed Body:TB)を曳航し、ここからソナー・アレイを展張することにより、ソナー・アレイを変温層の下に展開できるようにしている。また、曳航体にもソナー発信器が搭載されることで、その探知能力はさらに増強される。 CAPTASシステムは、艦に装備される対潜情報処理装置とソナー曳航装置、曳航体と、索状のソナー・アレイ、これらを結ぶケーブルによって構成される。艦のソナー曳航装置は15,000kgの重量で、曳航体としては、UMS 4229およびUMS 4249があり、いずれも全長2m、全高1m、全幅1.2mで重量1,250kg、UMS 4229は2つ、UMS 4249は4つの全周向け垂直ソナー・アレイを有しており、艦からは264メートルのケーブルによって曳航されている。これらの曳航装置は、魚雷回避などの緊急時には30ノットでの曳航にも耐えうるとされており、また、20分未満で展開と撤収が可能である。ここから、500メートルのケーブルによって、全長90m、直径85mmのソナー・アレイが展開される。使用周波数は、アクティブ・ソナーとしては0.95-2.1kHz、パッシブ・ソナーとしては0.1未満-2kHzである。 また、CAPTASシステムをもとにCAPTAS NANOも開発された。これは、システム全体を小型軽量化するとともに対潜情報処理装置をカスタマイズすることで、近年重視されるようになった沿海域での対潜戦闘に最適化されている。曳航装置は5,000kg未満にまで軽量化されており、使用できる甲板面積に応じて3種が開発されているが、最小では12平方メートル未満で設置できる。使用周波数は、アクティブ・パッシブともに0.9-2kHz、探知距離は4-80kmとされている。曳航深度は10-240m、速度は6-15ノットとされているが、やはり緊急時には30ノットでの曳航にも耐えうるものとされている。 なお、CAPTASシリーズの技術を応用し、重量級システムとして開発されたのが、イギリス海軍の23型フリゲートに装備されはじめている2087型曳航ソナーであり、それを発展させてFREMM計画艦向けの機種が開発中である。
※この「CAPTAS / CAPTAS NANO」の解説は、「CAPTAS」の解説の一部です。
「CAPTAS / CAPTAS NANO」を含む「CAPTAS」の記事については、「CAPTAS」の概要を参照ください。
- CAPTAS / CAPTAS NANOのページへのリンク