B(Σ) の双対空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/19 10:16 UTC 版)
有界な Σ-可測函数全体の成す集合に一様ノルムを入れた空間 B(Σ) に対し、ba(Σ) = B(Σ)∗ は B(Σ) の連続双対となる。この事実は Hildebrandt (1934) および Fichtenholtz & Kantorovich (1934) により発見された。これは、測度が可測函数を変数に取る線型汎函数として表現できることを言うリースの表現定理の一種である。特に、この同型写像により有限加法的測度に関する積分を定義することが可能となる(通常のルベーグ積分では「可算」加法性が要求されることに注意されたい)。これは Dunford & Schwartz (1958) による結果で、ベクトル測度に関する積分 (Diestel & Uhl 1977, Chapter I)、特にベクトル値ラドン測度に関する積分を定義するためにしばしば用いられる。 ba(Σ) = B(Σ)∗ が位相的な双対であることを確かめるのは容易である。明らかに、Σ 上の有限加法的測度 σ 全体の成すベクトル空間と単函数全体の成すベクトル空間とは(μ(A) = ζ(1A) を考えることにより)「代数的」に双対である。σ の誘導する線型形式が上限ノルムに関して連続となるための必要十分条件が σ が有界となることであるのを示すのは難しくない。単函数全体の成す稠密部分空間上の線型形式が B(Σ)∗ の元に延長されるための必要十分条件は、それが上限ノルムについて連続であることなので、所期の結果が従う。
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