C0(X) の双対空間に対する表現定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 20:03 UTC 版)
「リースの表現定理」の記事における「C0(X) の双対空間に対する表現定理」の解説
以下の定理はリース=マルコフの定理 (Riesz–Markov theorem) とも呼ばれ、無限大で消失する(英語版) X 上の連続関数の集合 C0(X) の双対空間の具現化を与えるものである。以下での「ボレル集合」の語も、前節と同様に、「開」集合によって生成される σ-代数を表すものである。 μ を可算加法的な複素数値ボレル測度とするとき、μ が正則であるための必要十分条件は、非負の可算加法的な測度 |μ| が前節の定義における意味で正則であることである。 定理 X を局所コンパクトなハウスドルフ空間とする。C0(X) 上の任意の連続な線型汎函数 ψ に対し、X 上の次のような正則な可算加法的複素ボレル測度 μ が唯一つ存在する。すなわち、C0(X) 内のすべての f について ψ ( f ) = ∫ X f ( x ) d μ ( x ) {\displaystyle \psi (f)=\int _{X}f(x)\,d\mu (x)} が成り立つ。線型汎函数としての ψ のノルムは、μ の全変動(英語版)、すなわち ‖ ψ ‖ = | μ | ( X ) {\displaystyle \|\psi \|=|\mu |(X)} である。また、ψ が正(英語版)であるための必要十分条件は、測度 μ が非負であることである。 注意 有界線形汎函数に対するハーン-バナッハの定理によって、Cc(X) 上のすべての有界線形汎函数が C0(X) 上の有界線形汎函数へと拡張される方法はで唯一つであるうえ、 C0(X) は上限ノルムにおける Cc(X) の閉包であるため、上述した第一の定理の内容は第二の定理を意味するものと考える人がいるかもしれない。しかし、第一の結果は「正の」線型汎函数に対するものであり、必ずしも「有界」線型汎関数に対するものではない。したがって、それら2つの定理は同値ではない。 実際、Cc(X) 上の有界線形汎函数は、その Cc(X) 上の局所凸位相が、C0(X) のノルムである上限ノルムに置き換えられた場合、必ずしも有界線型のままであるとは限らない。そのような一例として、Cc(R) 上では有界であるが C0(R) 上では非有界であるような、R 上のルベーグ測度が考えられる。この事実は、ルベーグ測度の全変動が無限大であることからも分かる。
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