AMERICAN IDIOTとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > AMERICAN IDIOTの意味・解説 

アメリカン・イディオット

(AMERICAN IDIOT から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 13:59 UTC 版)

『アメリカン・イディオット』
グリーン・デイスタジオ・アルバム
リリース
録音 2003年 - 2004年
オーシャン・ウェイ・レコーディング
ジャンル パンク・ロック
ポップ・パンク
オルタナティブ・ロック
時間
レーベル リプリーズ・レコード
ワーナーミュージック(国内盤)
プロデュース ロブ・カヴァロ
グリーン・デイ
グリーン・デイ アルバム 年表
シェナニガンズ〜スーパー・ウラ・ベスト!
2002年
アメリカン・イディオット
2004年
21世紀のブレイクダウン
2009年
テンプレートを表示

アメリカン・イディオット(American Idiot)は、アメリカ合衆国パンクバンドグリーン・デイGreen Day)の7作目のスタジオ・アルバムである。全14曲所収(アメリカ本国では13曲)。

概要

テーマは「反戦」。アルバム製作中に起こったイラク戦争に対するメンバーの激怒がロックという形で表現されている。本来は、全く別のコンセプトで作られる予定(シガレット・アンド・ヴァレンタインというタイトルであったとされる[1])であったが、マスターテープの盗難に遭った。しかし、それらは再録せず一から作り直している。全米(Billboard 200など)・全英(UK Albums Chartなど[2])、ともに1位を獲得。また、全米で6xプラチナム(600万枚)、全英で7xプラチナム(210万枚)を獲得するなど、大きな売上をあげた。

ウォーニング』以来4年ぶりとなる、バンド史上最長のインターバルを挟んで発表され、グリーン・デイの第二章の始まりを告げるアルバムとされる。短い曲を繋ぎ合わせた組曲形式の楽曲が2曲収録され、グリーン・デイの新境地を開いたアルバム。ローリング・ストーンの今作のレヴューが「Tell the truth: did anybody think Green Day would still be around in 2004?:正直に言うと、一体誰が2004年までグリーン・デイが生き残っていると想像しただろうか?」(この年は、1994年に発表したメジャーデビュー・アルバム『ドゥーキー』から10年目にあたる年である)という一文で始まっているように、今作を発表する以前のグリーン・デイに対する音楽関係者の評価は、グラミー賞は獲得したもののそれほど高くなかった。しかし今作は、アルバム全体がひとつのコンセプトを帯びて制作されている「パンクオペラ」として、今まで批判的だった人達を脱帽させる形となった。2005年には、グラミー賞 最優秀ロック・アルバム賞を受賞している。

また、2006年にはアルバムからの2ndシングル「ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス」でパンク史上初グラミー賞の最高賞「最優秀レコード賞」を輩出した。

『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、225位にランクイン[3]。また、『ローリング・ストーン誌が選ぶ 2000s・ベストアルバム』では、22位にランクイン[4]

2024年には、発売20周年を記念したコンピレーション・アルバム「アメリカン・イディオット:20周年記念デラックス・エディション」が発売された。

コンセプト

夢を見て故郷を飛び出した主人公、ジーザス・オブ・サバービア(Jesus of Suburbia)と彼のもうひとつの人格、セイント・ジミー(St.Jimmy)との葛藤の日々を描く。アルバムの大部分の作詞を手がけたバンドのボーカリスト、ビリー・ジョー・アームストロングは、本作のコンセプトについて"自己破滅するのか、自分の倫理を選ぶのか、その選択"と述べている[5]

パンクオペラ

収録曲「ジーザス・オブ・サバービア」「ホームカミング」は複数の曲を繋げて構成される形式の組曲となっており、これらは「パンクオペラ」と称されることがある[6]。本作収録の2曲は、それぞれ5部の構成を持った組曲となっている。

収録曲

作詞はビリー・ジョー・アームストロング、作曲はグリーン・デイ。ただし、組曲、ホームカミングのうち、"Nobody Likes You"はマイク・ダーント作詞、"Rock and Roll Girlfriend"はトレ・クール作詞。

  1. アメリカン・イディオット - "American Idiot" - 2:54
  2. ジーザス・オブ・サバービア - "Jesus of Suburbia" - 9:08
    Ⅰ. Jesus of Suburbia
    Ⅱ. City of the Damned
    Ⅲ. I Don't Care
    Ⅳ. Dearly Beloved
    Ⅴ. Tales of Another Broken Home
  3. ホリデイ - "Holiday" - 3:52
  4. ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス - "Boulevard of Broken Dreams" - 4:20
  5. アー・ウィー・ザ・ウェイティング - "Are We the Waiting" - 2:42
  6. セイント・ジミー - "St. Jimmy" - 2:55
  7. ギヴ・ミー・ノバカイン - "Give Me Novacaine" - 3:25
  8. シーズ・ア・レベル - "She's a Rebel" - 2:00
  9. エクストラオーディナリー・ガール - "Extraordinary Girl" - 3:33
  10. レター・ボム - "Letter Bomb" - 4:06
  11. ウェイク・ミー・アップ・ホウェン・セプテンバー・エンズ - "Wake Me Up When September Ends" -4:45
  12. ホームカミング - "Homecoming" - 9:18
    Ⅰ. The Death of St. Jimmy
    Ⅱ. East 12th St.
    Ⅲ. Nobody Likes You (ベーシストのマイク・ダーントがボーカルをとっている)
    Ⅳ. Rock and Roll Girlfriend (ドラムスのトレ・クールがボーカルをとっている)
    Ⅴ. We're Coming Home Again
  13. ワッツァーネイム - "Whatsername" - 4:12
  14. フェイヴァリット・サン - "Favorite Son" - 2:13 ※日本盤ボーナス・トラック

シングル・カット

  • アメリカン・イディオット(2004年9月14日リリース)
  • ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス(2004年11月29日リリース) - グラミー賞最優秀レコード賞受賞
  • ホリデイ(2005年3月28日リリース)
  • ウェイク・ミー・アップ・ホウェン・セプテンバー・エンズ(2005年7月13日リリース)
  • ジーザス・オブ・サバービア(2005年10月25日リリース)

担当

ミュージカル

2009年9月に、本作の楽曲を中心とするミュージカル『アメリカン・イディオット』が公開された。本作からの楽曲のほか、次作21世紀のブレイクダウンからの楽曲などが使用されている。2010年4月には、ニューヨークの有名劇場街、ブロードウェイに進出した。また、同時にミュージカルのサウンドトラック「アメリカン・イディオット(ブロードウェイ・ミュージカル・キャスト・ヴァージョン)(American Idiot: The Original Broadway Cast Recording)」も発売された(日本盤は6月発売)。

2011年2月第53回グラミー賞にて上記のアルバムで「最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞(Best Musical Show Album)」を受賞した。

脚注

  1. ^ Lost Music
  2. ^ ChartArchive - Green Day - American Idiot
  3. ^ 500 Greatest Albums of All Time: Green Day, 'American Idiot' | Rolling Stone
  4. ^ [1]
  5. ^ BARKS インタヴュー
  6. ^ rockin'on BEST500DISC p.295

外部リンク


「American Idiot」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「AMERICAN IDIOT」の関連用語

AMERICAN IDIOTのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



AMERICAN IDIOTのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアメリカン・イディオット (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS