A Fair Country
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「ジョン・ラルストン・ソウル」の記事における「A Fair Country」の解説
『Fair Country』 (2008) は、ソウルがカナダについて執筆した二つ目の大作で、4つの章に分かれている。 「メティス文明(A Métis Civilization)」 この章では、ソウルがReflections of a Siamese Twinの中で行った「カナダの三角関係の現実(triangular reality of Canada)」を取り上げている。ハロルド・イニス(Harold Innis)やジェラルド・フリーセン(Gerald Friesen)などの学者の研究を活用し、現代のカナダは、先住民の考え方や、1600年以来250年以上もの間カナダに移民してきた仏語系、英語系民族の経験に深く影響を受け、形作られたと論じる。その250年以上もの間、先住民は、カナダでの支配的な力、あるいは同等なパートナーであったと言う。先住民は、急速に「カムバック」してきており、非先住民カナダ人が自分自身を理解するためには、先住民が根本的に与えてきた影響を認識しなければならないと言う。 『平和、公平、よい政府(Peace, Fairness, and Good Government)』 この章では、1867年カナダ憲法(Canadian Constitution)に記されその試金石となった「平和、秩序、よい政府(peace, order, and good government)」の代わりに、それ以前のカナダの公文書で支配的であった言いまわしは、「平和、福祉、よい政府」であったと論じる。「秩序」に重きを置くというのは、真にカナダの成り立ち表すものではないと言う。 『去勢された者(The Castrati)』 この章は、ソウルのテクノクラート的、官僚的体制へのより一般的な批評を表している。現在のカナダのエリートは、「憂慮すべき凡庸性」を映し出す像となっているが、過去においていつもそうであったとは限らないと示唆する。 『意図的な文明(An Intentional Civilization)』 ソウルは、この最終章で、カナダは固有の数々の歴史的な出来事への独特な反応としてできあがった国であることを理解することへ立ち戻るべきだと説く。
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