75トン級エンジンの開発
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:04 UTC 版)
「ヌリ (ロケット)」の記事における「75トン級エンジンの開発」の解説
KARIは苦労してウクライナから30トン級液体燃料エンジンの設計図を入手し、2003年からK-エンジンプロジェクトの名の下にガス発生器サイクルの30トン級のケロシンエンジンを開発してきた。 ヌリの1段目と2段目に使用する75トン級エンジンの開発は、2009年からこの30トン級エンジンを基に開始され、2013年に羅老の初打ち上げに成功した後からは、ロシアから引き渡された二段燃焼サイクルエンジンRD-151も参考にして進められた 。 75トン級エンジンは完成までに燃焼試験を200回、合計2万秒する予定である。韓国国内の地上燃焼試験設備が完工するまではエンジンの各構成要素を組み合わせた最終試験を行えないが、韓国国内の既存施設でガス発生器とターボポンプと燃焼器の地上試験を別々に行い、ロシア国内でガス発生器とターボポンプの結合体の地上試験のみを行ってきた。燃焼試験設備が完工するまでは、部分試作品の出力を40パーセントまで下げて試験を行った。2018年7月に75トン級エンジンを実際に機体に組み込んだ状態での最終燃焼試験をパスし、154秒の燃焼を達成した。 エンジンの最終燃焼試験の結果を受け、2018年10月に第2段に相当する75トン級エンジン1基の試験弾道飛行を行う予定であったが、機体に不具合が見付かり延期された。その後、11月に羅老宇宙センターでエンジン1基の試験弾道飛行が実施され、高度100 km以上に到達、燃焼時間が目標時間を越え、成功した。 2021年2月25日、打ち上げに使用する自動発射ソフトウェアを使って100秒間燃焼テストに成功した。
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