3気筒TZ350
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 00:56 UTC 版)
3気筒TZ350は、ヤマハのオランダの現地法人ヤマハNVが開発・製作したマシンで、これは250ccのTZに1気筒追加して350ccにしたエンジンを搭載していた。1977年と1978年に片山敬済が走らせ、1977年に350ccクラスのチャンピオンとなる。エンジン出力は約80PS。キャブレターは当初はミクニ、その後レクトロンに変更した。これはメインジェットがなく、ニードルジェットだけで調整する仕様であった。ラジエーターはTZ750用を使用。車重は128kg(2気筒TZ350は118kg)。3気筒TZ350は直線は速いが、コーナリング性能は悪い。このような特性から、片山は、タイトターンが多いサーキットでは2気筒TZ350を、平均速度の速いサーキットでは3気筒TZ350を選んで走った。この3気筒エンジンはセッティングが合えば2気筒エンジンより10PS近い大きな出力と速度が期待できるそうである。エンジンの開発はケント・アンダーソンが担当した。 1977年型3気筒TZ350(直列3気筒、80PS) 1977年型3気筒TZ350 エンジン - 水冷2ストローク直列3気筒出力 - 約80PS キャブレター - ミクニ → レクトロン ラジエーター - TZ750用を流用 車体車重 - 128kg 節「1977年シーズン」にある「実質片山スペシャル」とは、高出力化を図ったピストンリードバルブエンジンゆえの宿命であり、余りにもピーキーなエンジン特性で他のヤマハ契約レーサーが乗りこなすことが困難であったためである。当時、ハードライディングと傑出したテクニックで他の追随を許さなかった片山の存在こそが、3気筒TZ350の快走には欠かせなかったということだ。
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