2014年日本グランプリ (4輪)とは? わかりやすく解説

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2014年日本グランプリ (4輪)

(2014 Japanese Grand Prix から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/11 05:38 UTC 版)

 2014年日本グランプリ
レース詳細
日程 2014年シーズン第15戦
決勝開催日 10月5日
開催地 鈴鹿サーキット
日本 鈴鹿市
コース長 5.807km
レース距離 44周(255.508km)
決勝日天候
ポールポジション
ドライバー
タイム 1:32.506
ファステストラップ
ドライバー ルイス・ハミルトン
タイム 1:51.600(Lap 39)
決勝順位
優勝
2位
3位

2014年日本グランプリは、2014年のF1世界選手権第15戦として、2014年10月5日鈴鹿サーキットで開催された。正式名称はFIA FORMULA 1 WORLD CHAMPIONSHIP JAPANESE GRAND PRIX SUZUKA 2014[1]

概要

メルセデスのチームメイト同士のチャンピオン争いは、前戦シンガポールGPニコ・ロズベルグがリタイアしたことにより、ルイス・ハミルトンが3点差でポイントリーダーとなり、日本GPを迎えた。

予選日の10月4日朝、現役王者のセバスチャン・ベッテル2015年レッドブルを離脱することがチームから発表され、パドックは驚きに包まれた。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、金曜日の夜にベッテルの意思を知らされたと明かし、移籍先がフェラーリであることをほぼ認めた[2]。ベッテルの後任として、トロ・ロッソの新人ダニール・クビアトがレッドブルへ加入することも決まった。

予選

展開

ニコ・ロズベルグがポールポジションを獲得。2番手はハミルトン。3、4番手にはボッタス、マッサのウィリアムズ勢がつける。

結果

Pos. No. ドライバー チーム Q1 Q2 Q3 Grid
1 6 ニコ・ロズベルグ メルセデス 1:33.671 1:32.950 1:32.506 1
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:33.611 1:32.982 1:32.703 2
3 77 バルテッリ・ボッタス ウィリアムズメルセデス 1:34.301 1:33.443 1:33.128 3
4 19 フェリペ・マッサ ウィリアムズメルセデス 1:34.483 1:33.551 1:33.527 4
5 14 フェルナンド・アロンソ フェラーリ 1:34.497 1:33.675 1:33.740 5
6 3 ダニエル・リチャルド レッドブルルノー 1:35.593 1:34.466 1:34.075 6
7 20 ケビン・マグヌッセン マクラーレンメルセデス 1:34.930 1:34.229 1:34.242 7
8 22 ジェンソン・バトン マクラーレンメルセデス 1:35.150 1:34.648 1:34.317 8
9 1 セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 1:35.517 1:34.784 1:34.432 9
10 7 キミ・ライコネン フェラーリ 1:34.984 1:34.771 1:34.548 10
11 25 ジャン=エリック・ベルニュ トロロッソルノー 1:35.155 1:34.984 20
12 11 セルジオ・ペレス フォースインディアメルセデス 1:35.439 1:35.089 11
13 26 ダニール・クビアト トロロッソルノー 1:35.210 1:35.092 12
14 27 ニコ・ヒュルケンベルグ フォースインディアメルセデス 1:35.000 1:35.099 13
15 99 エイドリアン・スーティル ザウバーフェラーリ 1:35.736 1:35.364 14
16 21 エステバン・グティエレス ザウバーフェラーリ 1:35.308 1:35.681 15
17 13 パストール・マルドナド ロータスルノー 1:35.917 22
18 8 ロマン・グロージャン ロータスルノー 1:35.984 16
19 9 マーカス・エリクソン ケータハムルノー 1:36.813 17
20 17 ジュール・ビアンキ マルシャフェラーリ 1:36.943 18
21 10 小林可夢偉 ケータハムルノー 1:37.015 19
22 4 マックス・チルトン マルシャフェラーリ 1:37.481 21
107% time: 1:40.163

[3]

  • No.13、No.25は6機目のパワーユニットを使用したため10グリッド降格

決勝

優勝者のルイス・ハミルトン

決勝当日は台風18号の接近により天候悪化が予想されていたが、スケジュール通り15時にスタートとなった。気温は19度、路面温度は23度[4]。雨脚が強いため、全車ウェットタイヤを装着し、セーフティーカー先導によるローリングスタート方式が採られた。しかし、セーフティカー走行中の2周目に赤旗が提示され、レースは一時中断。雨が弱まるのを待って、15時25分に再びセーフティカー先導で再開された[4]。その直後、予選5位のフェルナンド・アロンソが電気系トラブルにより早くもマシンを止めた。

9周目終了後にセーフティーカーが退出すると、本格的なレースが始まった。路面状況の変化をみてジェンソン・バトンがピットインし、浅溝のインターミディエイトタイヤに交換。そのラップタイム推移を見て他車も続々とピットインし、タイヤ交換を行った。バトンは判断が奏功し、メルセデス勢に次ぐ3番手に浮上する。また、雨用のセッティングに賭けていたレッドブル勢がペースを上げ、ウィリアムズ勢をかわして4・5番手に浮上する。

独走態勢のメルセデス勢は、先頭のニコ・ロズベルグオーバーステアに苦しみ、2番手のルイス・ハミルトンからプレッシャーを受ける。25周目にDRSが解禁されると、29周目のホームストレートでハミルトンがDRSを使ってオーバーテイクを仕掛け、1コーナーアウト側からかわしてトップに立つ。その後、ハミルトンは僚友との差を広げ、2度目のタイヤ交換後も優位を保つ。後方ではバトンとセバスチャン・ベッテルの3位争いが白熱するが、バトンはピット作業に手間取って後退し、ダニエル・リチャルドにも抜かれて5番手に後退する。40周目を過ぎる頃には雨脚が再び強まり始め、41周目にDRS使用が禁止される。バトンはまたも早めの判断で、ウェットタイヤに履き替える。

43周目、エイドリアン・スーティルがダンロップコーナー出口でコースオフし、タイヤバリアに接触。マシン撤去作業のためこの区間に黄旗(減速・追い越し禁止)が提示される。その1周後、同じ地点でジュール・ビアンキがコースオフし、スーティルのマシンを吊り上げていた重機に衝突。この事故でビアンキは意識不明に陥り、救出車出動のためセーフティカーが出動する。他車はピットインしタイヤ交換を行うが、46周目に2度目の赤旗が提示され、44周目終了時点の順位でレースが成立した。53周予定の75%(40周)を走行し終えていたため、入賞者には通常のポイントが付与される。

優勝はハミルトン。鈴鹿初制覇となり、F1での個人通算30勝を記録し、これでロズベルグとのポイント差を10に広げた。2位はロズベルグ。原因不明のタイヤのオーバーヒートに苦しめられて、ハミルトンに抜かれてしまった。3位は9位から追い上げたベッテルで、6年連続表彰台、鈴鹿での表彰台獲得率100%をキープした。しかし、ドライバー・関係者はみなビアンキの容態を気遣い、表彰台のシャンパンファイトも控えられた。

結果

Pos. No. ドライバー チーム 周回数 タイム/リタイア Grid Pts.
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 44 1:51:43.021 02 25
2 06 ニコ・ロズベルグ メルセデス 44 000+9.180 01 18
3 01 セバスチャン・ベッテル レッドブルルノー 44 00+29.122 09 15
4 03 ダニエル・リチャルド レッドブルルノー 44 00+38.818 06 12
5 22 ジェンソン・バトン マクラーレンメルセデス 44 +1:07.550 08 10
6 77 バルテッリ・ボッタス ウィリアムズメルセデス 44 +1:53.773 03 08
7 19 フェリペ・マッサ ウィリアムズメルセデス 44 +1:55.126 04 06
8 27 ニコ・ヒュルケンベルグ フォースインディアメルセデス 44 +1:55.948 13 04
9 25 ジャン=エリック・ベルニュ トロロッソルノー 44 +2:07.638 20 02
10 11 セルジオ・ペレス フォースインディアメルセデス 43 +1 Lap 11 01
11 26 ダニール・クビアト トロロッソルノー 43 +1 Lap 12
12 07 キミ・ライコネン フェラーリ 43 +1 Lap 10
13 21 エステバン・グティエレス ザウバーフェラーリ 43 +1 Lap 15
14 20 ケビン・マグヌッセン マクラーレンメルセデス 43 +1 Lap 07
15 08 ロマン・グロージャン ロータスルノー 43 +1 Lap 16
16 13 パストール・マルドナド ロータスルノー 43 +1 Lap 22
17 09 マーカス・エリクソン ケータハムルノー 43 +1 Lap 17
18 04 マックス・チルトン マルシャフェラーリ 43 +1 Lap 21
19 10 小林可夢偉 ケータハムルノー 43 +1 Lap 19
20 17 ジュール・ビアンキ マルシャフェラーリ 41 クラッシュ 18
21 99 エイドリアン・スーティル ザウバーフェラーリ 40 クラッシュ 14
Ret 14 フェルナンド・アロンソ フェラーリ 02 電気系 05

[5]

  • レース中のクラッシュにより46周目に赤旗掲示、そのまま終了となり44周目の順位で確定
  • No.13はピットレーンのスピード違反のため20秒加算ペナルティ
ラップリーダー
  • ニコ・ロズベルグ(1-12,15-28)
  • ルイス・ハミルトン(13-14,29-44)

レース後

43周目にクラッシュしたジュール・ビアンキは終了後に三重県立総合医療センターに救急車で搬送され硬膜下血腫を取り除くための緊急手術が行われたがその後も意識は戻らず、家族からびまん性軸索損傷を負っていることが発表された[6]。ビアンキは人工昏睡状態におかれ同病院で治療が継続されたが、自発呼吸の回復とバイタルサインの安定が認められた事から母国への移送ができると判断、11月19日にフランスニースニース大学付属病院に転院した[7]

しかし、転院後も意識は戻らず、2015年7月17日夜に同病院にて死去した[8]。F1グランプリにおけるドライバーの死者は1994年サンマリノGPアイルトン・セナローランド・ラッツェンバーガー以来21年ぶり、その他のF1マシンドライブ中でも2013年マリーア・デ・ヴィロタ以来となった。

第15戦終了時点でのランキング

[9]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 2014 FIA F1世界選手権シリーズ第15戦 日本グランプリレース「開催概要のご案内」 (PDF) - 株式会社モビリティランド、2014年1月22日付
  2. ^ "“「ベッテルはフェラーリに移籍」とレッドブル認める".”]. オートスポーツweb.. (2014年10月4日). http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=60374 2016年3月6日閲覧。 
  3. ^ 【結果】F1第15戦日本GP予選結果/2014年10月4日(土)”. topnews.jp. 2018年12月11日閲覧。
  4. ^ a b "ハミルトン優勝、赤旗で全周回を満たさず終了". ESPN F1. (2014年10月5日) 2016年3月9日閲覧。
  5. ^ 【結果】F1第15戦日本GP決勝レース結果/2014年10月5日(日)”. topnews.jp. 2018年12月11日閲覧。
  6. ^ ジュール・ビアンキの家族が声明発表:すべてのサポートに感謝している”. F1通信 (2014年10月8日). 2018年12月11日閲覧。
  7. ^ “ビアンキ、ニースの病院に到着”. ESPN. (2014年11月20日). http://ja.espnf1.com/marussia/motorsport/story/184505.html 2018年12月11日閲覧。 
  8. ^ ビアンキが永眠、享年25”. ESPN F1. 2015年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月18日閲覧。
  9. ^ F1世界選手権 2014 / ランキング”. espnf1.com. 2018年12月11日閲覧。
前戦
2014年シンガポールグランプリ
FIA F1世界選手権
2014年シーズン
次戦
2014年ロシアグランプリ
前回開催
2013年日本グランプリ
日本グランプリ 次回開催
2015年日本グランプリ



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