2011年管理区域外への放射性物質の放出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 00:35 UTC 版)
「東海第二発電所」の記事における「2011年管理区域外への放射性物質の放出」の解説
地震があった同日の2011年3月11日21時50分頃(JST)、現場機器の状態を確認していた保修員が、複合建屋(非管理区域)蓄電池室2Bにあるドレンファンネルからの溢水を確認した。ファンネルは、図面上、複合建屋に隣接するサービス建屋1階の管理区域内にある実験室サンプに接続されていることが確認されたため、当該サンプ内の廃液が非管理区域へ逆流し漏洩したものと判断した。その後、放射性物質を含む廃液を放水口から放出した。東北地方太平洋沖地震の直接的な影響により管理区域外へ放出された事象ではない。 また3月13日には使用済燃料プールおよびサイトバンカープールの溢水が確認されている。 なお、2006年に国の耐震指針が改定され、2007年7月の新潟県中越沖地震(柏崎刈羽原発が被災した)直後に茨城県が2007年10月に出した「津波浸水想定」に基づき、東海第二発電所では対策を実施。冷却用海水ポンプを守るため、従来あった3.3mの防護壁に加えて、側面にも2.8mの壁を設けた。津波は5mと福島第一原発の半分以下だったこともあるが、ポンプや電源は一部浸水したものの、冷却を継続できた。津波対策を講じなかった福島第一原発とは明暗を分けた。なお、こうした6.1mの津波に耐えられる防水工事の完了は震災の2日前であったことが、2012年2月13日、国の視察に合わせて報道陣に公開されて明らかとなった。
※この「2011年管理区域外への放射性物質の放出」の解説は、「東海第二発電所」の解説の一部です。
「2011年管理区域外への放射性物質の放出」を含む「東海第二発電所」の記事については、「東海第二発電所」の概要を参照ください。
- 2011年管理区域外への放射性物質の放出のページへのリンク