2009年の事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 04:17 UTC 版)
「トラビス (チンパンジー)」の記事における「2009年の事件」の解説
2009年2月16日、トラビスはサンドラの旧友のチャルラ・ナッシュ(55歳)に対して顔と手に重傷を負わせた。この日トラビスがサンドラの車のキーを持ち出してしまい、サンドラはトラビスを家に連れ戻すのを手伝ってもらうためにナッシュを呼んだ。ナッシュがトラビスの気を引こうとお気に入りのおもちゃの一つをかざしたところ、トラビスは間髪を入れず彼女に飛び掛かった。ナッシュは以前ハロルド夫妻のレッカー会社で働いていたこともあり、トラビスは彼女を知らないわけではなかったが、その時彼女は普段とは異なる髪型をしていた。 またトラビスはライム病の薬を服用しており、この薬には興奮や怒りを増幅させる作用があった。サンドラはそのとき70歳であったが、トラビスの凶行を止めさせるためにシャベルで殴り、肉切り包丁で彼を刺した。「私にとっては、彼をナイフで刺すことは、自分自身を刺すことと同じでした」とサンドラは後に語っている。彼女の言によれば「ママ、なんで僕にそんなことをするの?」と言わんばかりに彼は振り返ったという。トラビスは怒り狂い、サンドラは緊急電話を掛け、救助を求めた。トラビスの雄たけびは、サンドラが警察に助けを求めたとき録音されたテープにはっきり記録されていた。当初ナビゲーターはこの電話をいたずらだと考えた。しかしながらサンドラが「彼が...彼女を...食べ始めた...」と叫び始めて、これが嘘ではないと理解したのである。警察がハロルド宅に到着する前、すでに緊急医療班が出動の待機をしていた。 パトカーが到着したときトラビスは、パトカーに歩み寄り、ロックのかかった補助席のドアを開けようとし、激しくサイドミラーを強打した。そしてそのドアが開かないと分かると今度はゆっくりと運転席側のドアの側に回り、ドアを開けるに及んだ。これを見て、フランク・キアウェリィ巡査は危険と判断しやむなくトラビスに拳銃を向けて数発の弾丸を発射せざるを得なかった。深手を負ったトラビスは家に引き返し、のちに自分の檻の側で息絶えているのが発見された。
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