グリーグ:2つのノルウェー民謡による即興曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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グリーグ:2つのノルウェー民謡による即興曲 | Improvisata over to norske folkeviser Op.29 | 作曲年: 1878年 出版年: 1878年 初版出版地/出版社: Warmuth |
作品解説
グリーグは、1878年、生誕200年を迎えようとしているノルウェーの喜劇作家ルードヴィグ・ホルベルグ(1684-1754)の記念碑を建立する計画に加わった。この作品によって得た報酬はこの事業に寄付されている。グリーグは、この曲の他に、ホルベルグの生誕を記念した祭典のために《ホルベルグ組曲》や《カンタータ》を作曲している。
この作品では、どちらの曲においても、テンポの緩やかな部分と速い部分とが見られる。そのため、同じく故国の民俗音楽から素材をとって作曲したリストのハンガリー狂詩曲との関連が指摘されている。
第1曲目はアレグロ・コン・モート。レチタティーヴォ風のアルペジオで開始する。8分の6拍子の部分になると、8分音符→16分休符→16分音符→8分音符と続くリズムが特徴的である。続いて、4分の3拍子のスプリンガルを思わせる部分が続く。ここでは、8分音符→16分休符→16分音符と続くリズムが特徴的である。スプリンガルとは、スプリングダンスと同じ意味を持つ、生き生きとしたノルウェーの民族舞踊の1種である。その後、3連音符が支配的となる。ここでは、そのようなリズムの中にヘミオらが生まれる。
第2曲目はアンダンティーノ。メロディーはまず、左右の親指を中心として歌われる。そして、その後、メロディーの音域が上昇し、上声で歌われるようになる。中間部はプレストになる。ここでは、ノルウェーの舞曲を演奏する際に用いる民俗楽器、ハルゲンダル・フィドルの音色を思わせるスプリンガルが繰り広げられる(第1曲目を参照のこと)。そして、へミオラが特徴的である。
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