13時間目「宇宙の脈動 COSMIC PULSES」(2006/2007)
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「クラング (シュトックハウゼン)」の記事における「13時間目「宇宙の脈動 COSMIC PULSES」(2006/2007)」の解説
詳細は「宇宙の脈動」を参照 聴衆を取り囲むように配置された8チャンネルのスピーカーによって演奏される電子音楽。5時間目から12時間目までの作品は24音セリーの反行形が用いられていたが、この作品でセリーは原形に戻る。演奏時間は約32分。 24層の電子音楽のパルスによって構成される。各層はそれぞれ固有の音域、音数、音色、テンポを持つ。テンポは、シュトックハウゼンが多くの作品で用いてきた「テンポの半音階」(平均律による音高の半音階のシステムをテンポに応用したもの)によって決定され、音色は1時間目「昇天」のシンセサイザー版のために用意された24の音色が流用されている。音域や音数は24音セリーによる。 全体は3分ごとのセクションに分かれ(24分目以降の各セクションの長さは1分)、セクションごとに各層のテンポや音高、音響の空間移動が複雑に変化する。 最も低い音域で遅いテンポの第24層から始まり、40秒ごとに第23層、第22層と順次パルスが積み重なる。積み重なっていくパルスの音域、テンポは次第に高く、速くなっていく。15分20秒目で全ての層が積み重なり、この状態が24分目まで続く。24分目に到達すると、今度は第24層から20秒ごとにパルスが抜けていき、高音で速いテンポのパルスのみが残されていく。ただし、第24層は休止をはさみつつも断続的に登場し続ける。最終的に超高音、超高速の第1層と超低音、超低速の第24層の2層のみとなり、フェード・アウトして終わる。 この作品が、シュトックハウゼンの最後の電子音楽となった。なお、初期の段階ではこの作品は6時間目として計画されていた。
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