111形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/20 18:17 UTC 版)
レールなど長尺物の運搬用として、1909年(明治42年)に自社工場で製造された木造の無蓋電動貨車である。認可は少し遅れ、1911年に101として竣工した。 車体は中央部を高い櫓状にしてそこに運転台を設置、運転台を高床式として下部を空洞化し、電柱やレールといった長尺物を容易に運搬できるようにした。似たような形態の電動貨車としては琴電デカ1形があるが、デカ1形の運転台の形態が空母のようなアイランド型であるところが111形各形式と異なる。 運転台やアオリ戸もはじめ、台枠も含めて木製で、車体中央(前後の中心)に運転台がある車両としては日本初と推定されている。積載重量は5.6 t で、当初は荷重10 t として申請したが、荷台に荷物を満載した場合に見通しが利かなくなる恐れがあることから、かなり低く制限された。 台車は1形1に装着されていたペックハム14-B-3-Xを転用して装着、主電動機は1時間定格出力33.6 kW のウェスティングハウス・エレクトリック社製WH-38-Bを4基搭載、主制御器はゼネラル・エレクトリック(GE)社製直接制御器のK-61を装備したほか、SM-3直通ブレーキを取り付けて、1形とほぼ同等の性能となった。 集電装置は複架線式のためトロリーポールを2組備え、連結器は装備していなかったが救助網は装備していた。
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