黒人社会の日本に対する好意的感情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 06:24 UTC 版)
「坂上田村麻呂黒人説」の記事における「黒人社会の日本に対する好意的感情」の解説
最初に田村麻呂黒人説を紹介した一人であるデュボイスは日本と深い関わりがあったことで知られている。彼は日露戦争における大日本帝国軍の強さに感銘を受けており、有色人種が白人に勝利したことに勇気づけられていた。彼はのちに疋田保一による「黒人プロパガンダ工作 (Negro Propaganda Operations)」に協力し、来日も果たす。これは彼が大日本帝国の人種政策に好意的な反応を示していたからであった。彼が共同設立者の一人となった全米黒人地位向上協会は第二次世界大戦中の日系人の強制収容に強く反発し、戦後には収容所から解放されて戻ってきた日系人を歓迎し、仕事を斡旋したり、教会に招いたりしたことで知られている。1919年に大日本帝国が主張した人種的差別撤廃提案を在米の黒人は支持していたが、ウッドロウ・ウィルソン大統領が全会一致でないという理由でこれを成立させなかった。このことも一因となり、赤い夏をはじめとする悲惨な人種闘争が勃発するという事態に陥った。このように、黒人の間では日本に対して好意的な感情をもつものは少なくなかった。田村麻呂の伝説は、”Distinguished Negroes Abroad”の記述に典型的に表れ、また第二次世界大戦の戦中戦後によく見られたような、黒人の間に広がった「歴史的に日本人は白人に比べて差別的ではない」という考えと結びついていた。
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