鳥類、マウス、サルのモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/15 00:05 UTC 版)
「マラリアの歴史」の記事における「鳥類、マウス、サルのモデル」の解説
1950年代まで、抗マラリア剤のスクリーニングは鳥マラリアで行われていた。鳥マラリアを引き起こす種はヒトに感染する種とは異なる。1948年にベルギー領コンゴで野生の齧歯類から見つかったネズミマラリア原虫 Plasmodium bergheiや、実験室のラットに感染することができる他の種によって薬剤開発は変化した。これらの寄生虫の短い肝臓段階や生活環は動物モデルとして有用であり、現在でも利用されている。アカゲザルに感染するPlasmodium cynomolgi は1960年代に P. vivax に対する薬剤の活性試験のために用いられていた。 動物に依存しないシステムによる原虫の肝臓ステージの生育は、1980年代にヒト胚の肺細胞の細胞株 wI38 での前赤内期 (pre-erythrocytic) の P. berghei の生育によって達成された。それに続いてヒトの肝がんの細胞株 HepG2 でも生育が行われた。P. falciparum と P. vivax の双方がヒトの肝細胞で生育し、P. ovale についても部分的な成長が達成されている。P. malariae はチンパンジーとヨザルの肝細胞で生育が行われた。 1976年に William Trager と James B. Jensen によって初めて連続的なマラリアの培養法が確立され、寄生虫の分子生物学的な研究や新規薬剤の開発が促進された。培養液の容積を増やすことにより、P. falciparum のより高い寄生レベル (10%以上) で生育が達成された。
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