鬼コーチの存在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 14:58 UTC 版)
詳細は「スパルタ教育」を参照 スポ根作品では登場人物を育成するために過酷なトレーニングを課す指導者の姿が描かれている。代表例としては『巨人の星』の星一徹、『柔道一直線』の車周作、『サインはV』の牧圭介、『エースをねらえ!』の宗方仁などが挙げられるが、しばしば「鬼」「鬼コーチ」と形容される。彼らの一部は現役選手としての夢が破れた存在であり、例えば星は「幻の名三塁手」と称されたが「魔送球」を否定されたため球界を去り、車は必殺技「地獄車」により死亡事故を起こしたため柔道界を去り、宗方は世界的選手になる素質を持ちながら死期を宣告されたため指導者に転身している。彼らは、自らの果たせなかった夢や理想を選手に託し、時には名言を用いて教え諭す役割を担っている。 鬼コーチの指導について2013年3月13日付けの『朝日新聞』は指導者への絶対服従というスポーツ観が社会全体に行き渡っていたことを反映したものとした上で、「スポ根ものでは、しごき、カリスマ的指導者、鉄拳制裁がいわば三種の神器であり、読者にカタルシスを与える道具だった」と評しているが、漫画評論家の紙屋高雪は「肉体の酷使はあっても体罰をスポ根の必要条件と見做すのは無理がある」と指摘している。中でも『巨人の星』の星一徹については「激高しちゃぶ台をひっくり返す」「竹刀で叩く」といった狂信的な指導者としてのイメージが定着しているが、こうした「ちゃぶ台返し」「竹刀での制裁」といった行為は原作漫画においては全く描かれておらず、テレビアニメでの過剰な演出によって視聴者に狂信的なイメージが定着したのではないかと指摘されている。
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