髪の色に関わる病気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 22:10 UTC 版)
古くから病気で髪色が変わることは知られており、聖書の『レビ記』第13章には腫物や傷の個所の毛を確認し、白や黄色の変色がある場合は伝染性の病気(ツァラアト)の証拠とする記述がいくつもある(第37節では逆に患部の毛が黒く戻れば治癒と判断する記述もある)。 先天性白皮症の人の毛髪は銀髪ないし金髪である。これは、メラニンの生合成をつかさどる遺伝子の欠損により、全身にメラニンの欠乏が起こるためである。 尋常性白斑症は、自己免疫疾患の結果により引き起こされることがある毛髪や皮膚の色の部分的な欠落である。 また、栄養失調は髪の色を薄く、髪質を細く脆いものにすることが知られている。このメラニンの生産の不足により、濃い色の髪が赤毛や金髪になることがある。この症状は適切な栄養により回復する。 ウェルナー症候群や悪性貧血も早期の白髪の原因となることがある。慢性胃腸疾患、マラリア、甲状腺疾患、脳下垂体機能低下症、円形脱毛症などの病気に罹患していると、急激に白髪が増えたり、一部分に集中して白髪が発生することがある。 最近の研究によれば、白髪の髪に白髪でない眉を持つ50 - 70歳代の人々は、髪・眉共に白髪である人々と比べて、成人性糖尿病を持つ人々との相関関係を持っていることが示された。 電子ビームによる脱毛や化学療法によって引き起こされた炎症過程の後に、白髪が一時的に濃い色の体毛に戻ることがある。人間の白髪の発生に関わる生理学は、未だ不明確な部分が数多く残されている。
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