飼育史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 04:34 UTC 版)
ハトはおおよそ10000年から6000年ほど前の新石器時代に飼育動物化されたと考えられている。ハトは人里に近い土地で営巣する動物であり、洞窟や崖、そして泥や石で造られた初期人間の住居に巣を作っていた。当時中東において栽培が始まったコムギやオオムギなどもハトの食料として好適であった。こうしてハトと人間の距離が縮まったのち、ハトの飼育化がはじまった。当初は神経質な成鳥にくらべ人に慣れやすく飼いやすいハトの雛を成長させる目的で飼育がはじまり、やがて家禽化していったと考えられている。 紀元前2900年ごろにシュメールのシュルッパクにて起こった大洪水はシュメルの洪水神話として後世に残され、『ギルガメシュ叙事詩』や旧約聖書のノアの方舟の話の原型となったが、『ギルガメシュ叙事詩』においてすでに陸地を探すためにハトをはなした話が記載されており、このころにはハトが飼育されていた証拠とも考えられている。紀元前4500年ごろのイラクのアルパチャにおいてハトのテラコッタの像が出土しており、ハトが宗教上重要視されていたことをものがたっている。古代エジプトにおいてもハトは飼育されていた。やがてハトの飼育は地中海へと広がり、古代ギリシャの各都市やエトルリア人にも広まった。ローマ帝国においてはハトは宗教上重要な意味を持つ一方、肥育されて食用としても盛んに用いられた。
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