音楽史の中の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 10:24 UTC 版)
「アントン・ブルックナー」の記事における「音楽史の中の位置づけ」の解説
一般的には後期ロマン派に位置づけられる。作曲技法的にはベートーヴェン、シューベルトの影響を、管弦楽法、和声法ではワーグナーの影響を受けていると言われる。そしてグスタフ・マーラー、フランツ・シュミットなどに影響を与えたほか、ハンス・ロットの才能をいち早く見出した。 一方、後期ロマン派の中での特異性も指摘されている。一つは、オペラや文学との接点の少なさであり、これは作品にオペラが残されていないことや、ワーグナーの楽劇『ワルキューレ』に対する無理解にもとづく感想(「何故ブリュンヒルデが焼き殺されたのか?」と述べたと伝えられている。実際の内容は、身を守るために周囲を炎で覆わせるのであり、焼き殺される訳ではない)からも推察されるものである。もう一つは、作曲書法の随所でオルガン奏者の発想を感じさせることである。 ブルックナーの音楽はオーストリア的であり、大ドイツ主義の範疇でのドイツ的なローカル性を持っている。ブルックナー指揮者のカール・ベームも、著書でブルックナーの交響曲に必要な「オルガン的発想」と「オーストリア情緒」を指摘している。そのため、20世紀前半まではドイツ語圏でしか評価されなかった。 同時代の作曲家の中では、ドイツ語圏以外の諸国でも早くから受け入れられたヨハネス・ブラームスと対立する存在としばしば捉えられる。 交響曲の歴史の中では、長大な演奏時間を要する作品を作り続けた点でマーラーとしばしば比較される。
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