革新的製鉄プロセス
二酸化炭素(CO2)を大量に排出する鉄鋼業界で、排出量の大幅削減を目指す革新的製鉄プロセスの技術開発が進んでいます。「COURSE(コース)50」と呼ばれるプロジェクトで新日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所、新日鉄エンジニアリング、住友金属工業、日新製鋼の大手6社が参加しています。COURSE50は「CO2 Ultimate Reduction in Steelmaking Process by Innovative technology for cool Earth 50」の略です。
同プロジェクトはCO2排出原単位の30%削減を目標に掲げています。カギを握る技術は二つあり、水素による鉄鉱石の還元技術で30%削減のうちの10%分を、高炉ガスからのCO2分離・回収技術で残りの20%分を減らす計算です。2030年ごろまでに技術を確立し、50年ごろまでの実用化・普及を目指しています。総事業費は約100億円と見積もっています。
このうちのCO2分離・回収はCO2の地中貯留(CCS)に欠かせない技術です。高炉ガスはCO2を約20%含んでいます。これを分離・回収する方法にはアミンなどのアルカリ性水溶液にCO2を吸収させる化学吸収法と、ゼオライト系の吸着剤を用いる物理吸着法があります。
化学吸収法はCO2を効率的に回収できる反面、エネルギー消費量が多いのが課題。物理吸着法はCO2の回収効率は劣るもののエネルギー消費量は少なく、両方法には一長一短あります。プロジェクトでは二つの方法の最適な組み合わせを模索しています。化学吸収法については新日本製鉄君津製鉄所内に10年3月をめどに実験プラントを完成し、処理能力を現状比30倍の1日30トンに引き上げる計画。物理吸着法については処理能力同3トンのプラントを、10年12月をめどにJFEスチール西日本製鉄所内に新設する予定です。
(掲載日:2009/10/25)
同プロジェクトはCO2排出原単位の30%削減を目標に掲げています。カギを握る技術は二つあり、水素による鉄鉱石の還元技術で30%削減のうちの10%分を、高炉ガスからのCO2分離・回収技術で残りの20%分を減らす計算です。2030年ごろまでに技術を確立し、50年ごろまでの実用化・普及を目指しています。総事業費は約100億円と見積もっています。
このうちのCO2分離・回収はCO2の地中貯留(CCS)に欠かせない技術です。高炉ガスはCO2を約20%含んでいます。これを分離・回収する方法にはアミンなどのアルカリ性水溶液にCO2を吸収させる化学吸収法と、ゼオライト系の吸着剤を用いる物理吸着法があります。
化学吸収法はCO2を効率的に回収できる反面、エネルギー消費量が多いのが課題。物理吸着法はCO2の回収効率は劣るもののエネルギー消費量は少なく、両方法には一長一短あります。プロジェクトでは二つの方法の最適な組み合わせを模索しています。化学吸収法については新日本製鉄君津製鉄所内に10年3月をめどに実験プラントを完成し、処理能力を現状比30倍の1日30トンに引き上げる計画。物理吸着法については処理能力同3トンのプラントを、10年12月をめどにJFEスチール西日本製鉄所内に新設する予定です。
(掲載日:2009/10/25)
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