非特異的DNA結合タンパク質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 09:02 UTC 版)
「DNA結合タンパク質」の記事における「非特異的DNA結合タンパク質」の解説
非特異的なDNAタンパク質相互作用のよく知られた例として、DNA結合性の構造タンパク質がある。染色体内では、DNAは構造タンパク質との複合体によって、クロマチンと呼ばれるコンパクトな構造で保持されている。真核生物では、この構造にはヒストンと呼ばれる塩基性DNA結合タンパク質が含まれている。原核生物では、複数のタンパク質が関与している 。ヒストンは、ヌクレオソームと呼ばれる円盤状の複合体を、ヒストンの塩基性残基がDNAの酸性糖リン酸骨格にイオン結合することによって形成する。したがって、塩基配列にはほとんど依存しない。ヒストンの塩基性アミノ酸残基はメチル化、リン酸化、あるいはアセチル化で化学修飾されることが可能である。これらの化学変化は、DNAとヒストン間の相互作用の強さを変化させ、DNAを転写因子に結合可能にし、転写率を大きくあるいは小さく変化させる 。クロマチンの他の非特異的DNA結合タンパク質には、屈曲または歪んだDNAに結合する高移動度タンパク質(high-mobility group:HMG)タンパク質がある。このHMGタンパク質はDNAに結合して屈曲・ループさせることによりその機能を果たす 。ヌクレオソームの配列を曲げて染色体を形成させるのに重要である。
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