非可測函数に対してフビニの定理が成立しないこと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 10:57 UTC 版)
「フビニの定理」の記事における「非可測函数に対してフビニの定理が成立しないこと」の解説
上の例の変形版として、たとえ |f| が可積分でいずれの逐次積分が well-defined であっても、非可測であればフビニの定理が成立しないことがあるという例を以下に挙げる:f は E 上で 1 であり、E の補集合上で -1 とする。このとき |f| はその直積空間上で積分 1 となり可積分であるが、well-defined である各逐次積分の値はそれぞれ 1 と -1 となり、異なる。 連続体仮説を考えることで、X を単位区間 I と見なすことが出来、二つの(ルベーグ測度による)逐次積分は定義されるが等しくないような I×I 上の有界非負函数が存在することが分かる。この例は Sierpiński (1920) によって発見された。ルベーグ測度を伴う二つの単位区間の積上に対するフビニの定理のより強い結果において、函数はもはや可測である必要はなく、二つの逐次積分が well-defined で存在していればよいが、その結果は標準的な集合論のツェルメロ=フレンケルの公理(英語版)とは独立なものである。連続体仮説とマーティンの公理はいずれも、逐次積分の値が異なるような単位正方形上の函数が存在することを意味するが、Friedman (1980) は、それはZFCと一致し、[0, 1] に対する強フビニ型定理が成立し、二つの逐次積分が存在するならそれらは等しくなることを示した。ZFCから独立な命題の一覧 を参照。
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