非可測関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/17 10:22 UTC 版)
応用の場面で現れる実数値関数は、可測関数であることが多い。しかしながら、非可測関数を見つけることは難しいことではない。 距離空間に非可測集合が存在している限り、その空間上の非可測関数が存在する。 ( X , Σ ) {\displaystyle (X,\Sigma )} を可測空間とし、 A ⊂ X {\displaystyle A\subset X} が非可測集合(英語版)、すなわち、 A ∉ Σ {\displaystyle A\not \in \Sigma } であるなら、指示関数 1 A : ( X , Σ ) → R {\displaystyle 1_{A}:(X,\Sigma )\rightarrow \mathbb {R} } は、可測集合 { 1 } {\displaystyle \{1\}} の原像が非可測集合 A {\displaystyle A} であることから、非可測である。ここで、 R {\displaystyle \mathbb {R} } は通常どおりボレル代数を備えるものであり、 1 A {\displaystyle 1_{A}} は 1 A ( x ) = { 1 if x ∈ A 0 otherwise {\displaystyle 1_{A}(x)={\begin{cases}1&{\text{ if }}x\in A\\0&{\text{ otherwise}}\end{cases}}} によって与えられる。 どのような非定数関数であっても、その定義域と値域に適切な σ {\displaystyle \sigma } -代数を備えることによって、非可測とすることが出来る。 f : X → R {\displaystyle f:X\rightarrow \mathbb {R} } を任意の非定数実数値関数としたとき、 X {\displaystyle X} に離散的でない代数 Σ = { 0 , X } {\displaystyle \Sigma =\{0,X\}} が備えられるのであれば、 f {\displaystyle f} は非可測である。なぜならば、その値域の任意の点の原像は X {\displaystyle X} の空でない真部分集合であり、したがって Σ {\displaystyle \Sigma } に含まれないからである。
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