電子の魔法数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 04:59 UTC 版)
原子の化学的性質はその電子配置でほぼ決定されるが、電子殻における電子にも化学的に極めて安定する特定の数(配置)がある。オクテット則と呼ばれることもある。 電子が魔法数となる原子(貴ガス元素)は極めてイオン化しにくく、逆に魔法数に近い原子は、電子数が魔法数より多い場合にはイオン化傾向、逆に少ない場合には電気陰性度が大きい。このため、魔法数の電子配置を原子核とは別の意味で「核」と呼ぶことがある。 2 - ヘリウム K殻が閉殻 (2) 10 - ネオン L殻が閉殻 (K+8) 18 - アルゴン M殻のp軌道が閉殻 (K+L+8) 36 - クリプトン N殻のp軌道が閉殻 (K+L+M+8) 54 - キセノン O殻のp軌道が閉殻 (K+L+M+18+8)、N殻の4f軌道は空位 86 - ラドン P殻のp軌道が閉殻 (K+L+M+N+18+8)、O殻の5f軌道は空位 118 - オガネソン Q殻のp軌道が閉殻 (K+L+M+N+O+18+8)、P殻の6f軌道は空位 ネオンまでは主殻が閉じるが、以降は副殻であるp軌道が閉じることで安定する。これは、内側のd軌道よりも、1つ外側のs軌道のほうがエネルギー準位が低いためで、ナトリウム以降は主殻だけが閉じる状態は存在しない。 また、たとえばラドンは化学的反応性を持ちフッ素と容易に反応するなど、電子数が魔法数であっても重い原子ほど安定性が低下することは、核子の魔法数の事情と共通している。
※この「電子の魔法数」の解説は、「魔法数」の解説の一部です。
「電子の魔法数」を含む「魔法数」の記事については、「魔法数」の概要を参照ください。
- 電子の魔法数のページへのリンク