電子の異常磁気モーメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 07:55 UTC 版)
「異常磁気モーメント」の記事における「電子の異常磁気モーメント」の解説
電子の異常磁気モーメントは1948年にR. KuschとH. M. Foleyにより実験で発見された。電子の異常磁気モーメントは物理定数の中でも極めて高い精度で測定されており、その値は a e = 0.001 159 652 181 28 ( 18 ) {\displaystyle a_{\text{e}}=0.001\ 159\ 652\ 181\ 28(18)} である(2018 CODATA推奨値)。 電子の異常磁気モーメントは頂点関数を計算することで求められ、1ループからの寄与は上のファインマン図で表される。1ループでの計算は比較的単純で、微細構造定数 α を用いて a e 1-loop = α 2 π ≃ 0.001 161 4 {\displaystyle a_{\text{e}}^{\text{1-loop}}={\frac {\alpha }{2\pi }}\simeq 0.001\ 161\ 4} となる。この結果は1948年にジュリアン・シュウィンガーによって初めて導かれた。 現在までに電子の異常磁気モーメントのQED公式は4ループ(α4)のオーダーまで計算されている。木下東一郎らによる最近の計算結果は以下のようになる。 a e theory = 0.001 159 652 181 13 ( 11 ) ( 37 ) ( 02 ) ( 77 ) {\displaystyle a_{\text{e}}^{\text{theory}}=0.001\ 159\ 652\ 181\ 13(11)(37)(02)(77)} である。QEDによる計算結果は実験による測定値と10桁以上一致しており、電子の磁気モーメントは物理学の歴史上でも最も正確に理論と一致した数値となっている。
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