難度の指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 10:04 UTC 版)
世界的には、アメリカでよく使われるVグレード(Vの後に数値が入る)や、フランス・フォンテーヌブロー(en:Fontainebleau rock climbing)を発祥とするフレンチグレードがよく使われる。 米国のデシマルグレードは、小数表記のグレードという意味であり、「手を使う岩登り」をあらわす5の数字に続く小数点“.”以下の数値と記号の組み合わせで難度を表す。5.10以上においては、さらに細分化するために5.10a~5.10dのようにa,b,c,dの英小文字をつける。また、5.10-~5.10+のように表記することもある。二つのグレードの間くらいの難易度と判定される場合、5.11c/dや5.14d/15aのように二つのグレード表記の間に「/」を入れて表現する。初心者は5.7当たりから入り、5.11aから中級、5.13a以降で上級となる。現在の世界最難ルートは5.15bとされている。 デシマルグレードは世界的にも広く使われているが、その他によく使われているのがフレンチグレード(数値のあとにa,b,cの文字がつく、場合によってはその後ろにさらに「+」がつく)である。他に、UIAAグレード(ローマ数字と「-」ないし「+」の組み合わせ。ドイツなど)、オーストラリアグレード(数値のみ)など各国独自のグレードシステムが存在する。クライマーの国際的交流が増えてきた現在、これらのグレードシステム間の対比表が整備されるようになってきている。 日本ではボルダリングのグレードとしては、武道や芸道の「級」や「段」の制度に慣れ親しんだ日本人のために10級~初段~と表示する方式がポピュラーに使われている(初心者は7級あたりから入り、3級あたりから中級で、初段では上級の域となる)。一方、ロープを使うようなクライミングでは上述の米国のグレードシステム(デシマルグレード)が日本でもポピュラーに使われている。 なお岩の難度を表す指標としてグレードの表記法が規定されているのだが、実際にはグレードをつける者の主観が多分に入り込むため常に議論の的となっている。自然の岩場でのグレード値はエリア内での相対的な難度を示す、一応の目安ぐらいの位置づけとなっている。
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