閉館後の老朽化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 02:29 UTC 版)
1988年に奥内が死去し、妻が遺志を引き継いで営業を継続するも、その妻も2006年死去したことから閉館され、次第に荒廃し廃墟となっていった。 閉館後は遺族が相続を放棄したため、アメリカのリーマン・ブラザーズ系金融機関が一時債権を保有したが、同社が2008年9月に世界金融危機により会社更生法を申請したため、別会社へ債権が移行した。神戸地方裁判所により2007年から2008年にかけて競売にかけられたものの、入札者はなかった。 以後は全く管理されておらず、経年劣化によりコンクリートの破片などが周辺に落下するなどのトラブルも発生しているが、複雑な権利関係により撤去は進まず、地元では問題となった。倒壊の危険も出てきたため、対応を協議する機関として淡路市が2009年5月に「世界平和大観音像検討委員会」を設置した。 2011年9月10日、債権者に通知の上で淡路市職員ら50人が内部調査を行ったところ、大観音像台座の出入口は壊され、盗難や雨漏り、腐食などが確認された。展望台は望遠鏡が倒れ、雨漏りや天井板の剥落などがあり危険な状態であったことから、出入り口の封鎖や十重之塔の屋根に葺かれた銅板の飛散防止対策などが行われた。 2012年ごろには、評価額6億2000万円・関連施設を含めた不動産取得税と登録免許税合わせて4000万円以上で一時売却が進行し、税金の減免についても淡路市から一定の譲歩が引き出されたものの、建築費に由来する高額な税評価額から売却は成立しなかった。2014年8月の台風第11号通過時や2018年には、外壁が一部崩落するなど危険な状態となっている。 2019年時点で淡路市都市計画課は「空き家対策特別措置法の対象になると思う」との見解を示しつつも、市長は「そこまで強制的に行うのはどうか」と難色を示しており、債権者からの訴訟や税金支出への反発も予想されることから、具体的検討には至らなかった。
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