鑑別診断における活用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:09 UTC 版)
「プロカルシトニン」の記事における「鑑別診断における活用」の解説
上記のように、通常は甲状腺での生成が主であり、生成直後に代謝されるために血中には存在しない。しかし、細菌、真菌、寄生虫による重篤な感染症においては、TNF-α,インターロイキン-1(IL-1),IL-6などの炎症性サイトカインにより誘導され肺・小腸を中心としてプロカルシトニンが産生され血中に放出される。一方、ウイルス感染ではT細胞によるインターフェロンγ(IFN-γ)産生が増加することでプロカルシトニンの産生の抑制が起こり血中濃度は上昇しにくくなる。そのため、ウイルス、自己免疫疾患による症状と、細菌・真菌・寄生虫によるものとを鑑別するために有用とされている。膠原病の悪化群に比べて細菌感染症群は有意にプロカルシトニンが上昇するため、プロカルシトニン測定が両者の鑑別に役立つとする報告がある。膠原病の治療中にはステロイドや免疫抑制薬の使用により発熱やCRPがマスクされて、感染症が見逃されてしまうことがあるが、プロカルシトニンはその影響を受けにくいことによる。
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