銀河の衝突と惑星系の擾乱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 02:28 UTC 版)
「太陽系の形成と進化」の記事における「銀河の衝突と惑星系の擾乱」の解説
宇宙に存在する大多数の銀河は銀河系から遠く離れた場所に存在するが、局所銀河群で最大であるアンドロメダ銀河は、秒速120㎞の速さで銀河系に近付いている。20億年後には両銀河が衝突し、潮汐力で腕が歪むと考えられる。この衝突が起こると、太陽系は12%の確率で銀河系から投げ出され、3%の確率でアンドロメダ銀河の重力に引っ張られると見積もられている。30%の確率で超大質量ブラックホールが生成し、約70億年かけて銀河系とアンドロメダ銀河は楕円銀河として融合する。融合の過程で十分なガスがあれば、増大する重力によって楕円銀河の中心が形成され、スターバースト銀河と呼ばれる、常よりも激しい勢いで星形成が行われる銀河になる。さらに新しくできるブラックホールにガスが流れこみ、活動銀河が形成される。これらの相互作用によって、太陽系は新しい銀河の銀河ハローに押し出され、衝突による放射からは比較的逃れられると考えられる。 この衝突によって太陽系の惑星の軌道が乱されるというのは、よくある誤解である。そばを通過する恒星の重力で惑星が影響を受けるのは事実であるが、恒星間の距離が遠いため、個々の恒星系への影響は無視できる程度である。太陽系全体は影響を受けるものの、太陽や個々の惑星が乱されることはないと考えられる。 しかし、長い目で見ると、恒星同士がぶつかる累積確率は増大し、惑星が破壊されるのは避けられない確率になる。ビッグクランチやビッグリップが最後に起こらないと仮定すると、近傍を通過する恒星の重力によって、1000兆年以内に既に死んだ太陽の惑星が剥ぎ取られると計算される。これが太陽系の死である。
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