量産の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 08:18 UTC 版)
「ブロックバスター (医薬品)」の記事における「量産の背景」の解説
ブロックバスターが1990年代以降に量産された背景には、アメリカ合衆国の新薬承認制度の緩和と積極的な宣伝活動が貢献した。日本の新薬承認制度とは異なり、アメリカ合衆国の新薬承認はかなり早く、平均して1年程度で審査が終わるという迅速な審査を行う。この迅速な審査は1992年に制定されたユーザー・フィー制度の導入によって実現された。これは、有効な薬をより早く患者の元へ届けることを狙ったものである。また、新薬の効果としても、従来発売されていた薬と比較して、少しでも優秀であれば新薬として承認されるという比較的緩やかな基準を元に新薬が発売されていた。 こういった制度の緩やかさを背景に、莫大な利益を生み出すブロックバスターが続出することとなる。 さらに、ブロックバスター発売後も各企業は情報宣伝活動に力を入れ、新たな治療分野を築いてきた。日本では法律で禁止されている処方箋医薬品の一般(患者)向けテレビコマーシャルもアメリカ合衆国では認可されており、消費者(患者)に頻繁に新薬の魅力を訴え続ける戦略を展開していた。発売後も継続的に多額の広告費を投じることによって、意図的にブロックバスター化させるというビジネスモデルが作られ、必然的に投入する資金に余裕のある大企業が、ブロックバスターを多く抱えるという結果となった。 こういったマッチポンプに近い広告手法に力を入れた結果、それまでは病気だと思われていなかった症状(高血圧や高脂血症など)が『重要な病気』として認識されることで患者数が増え、ブロックバスターがますます使用され、より売上が伸びるという企業側にとっての好循環を生み出した。
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