野手が誤ってボールを観客席に投げ入れる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/25 01:06 UTC 版)
「安全進塁権」の記事における「野手が誤ってボールを観客席に投げ入れる」の解説
この事例は、特にプロレベルで多く発生している。ファンサービスの一環として、野手が飛球を捕らえたことによって第3アウトが成立した場合に、その野手がボールを観客席に投げ入れるようになったことによるもので、いずれも野手がアウトカウントを勘違いして投げ入れてしまったもの。記録は当該野手の失策である。日本プロ野球で日付等が具体的に判明している例は以下の4つ。 2003年5月21日、読売ジャイアンツ(巨人)対ヤクルトスワローズ第9回戦(福岡ドーム) - 6回表、一死一・二塁でヤクルト・鈴木健が外野へ飛球を打ち上げた。巨人のクリス・レイサム左翼手はこれを捕球したあと、ボールを観客席に投げ入れた。2人の走者に2個の安全進塁権が与えられ、二塁走者の宮本慎也が得点した。 2004年8月15日、阪神タイガース対広島東洋カープ第20回戦(大阪ドーム) - 2回裏、一死一塁の状況で阪神・鳥谷敬のゴロを広島のグレッグ・ラロッカ一塁手が処理し、自ら一塁を踏んで鳥谷をアウトにした後に観客席へ投げ入れた。このとき一塁走者のジョージ・アリアスは既に二塁に達していたので、アリアスには更に2個の安全進塁権が与えられ、阪神が先制点を得た。 2011年5月26日、阪神タイガース対千葉ロッテマリーンズ第2回戦(阪神甲子園球場) - 8回表、一死二塁でロッテ・清田育宏が放った飛球を阪神のマット・マートン右翼手が捕球した。このとき二塁走者の今江敏晃はタッグアップしていたが、マートンはそれを阻止するための送球をしようともせずに一塁側内野席(アルプススタンド)にボールを投げ入れた。これにより今江には2個の安全進塁権が与えられ、得点した。 2015年7月20日、北海道日本ハムファイターズ対東北楽天ゴールデンイーグルス第16回戦(札幌ドーム) - 6回表、一死一塁で楽天のギャビー・サンチェスが外野へ打ち上げた飛球を日本ハムの西川遥輝左翼手が捕球後、外野席にボールを投げ入れてしまった。一塁走者のウィリー・モー・ペーニャには2個の安全進塁権が与えられ、二死三塁となった。後続の打者は凡退し、このミスは失点にはつながらなかった。 また、野手がフェアボールをファウルボールと誤認して観客席に投げ入れてしまった事例もある。 2015年7月20日、横浜DeNAベイスターズ対東京ヤクルトスワローズ第16回戦(横浜スタジアム) - 7回裏、先頭打者のDeNA・アーロム・バルディリスの打球は一塁側ファウルライン付近に打ち上がり、ヤクルトの山田哲人二塁手が追ってグラブで打球に触れたが落球してしまった。同じくこの打球を追ってきた雄平右翼手はこれを拾い、打球がファウルボールになったと思い込んですぐ近くの観客席にボールを投げ入れたが、この打球が山田に触れたときの位置はファウルラインの内側であったため実際にはフェアボールであった。山田は素早くそのボールを観客から取り戻したが既に遅く、雄平の手からボールが離れた時点で一塁に達していたバルディリスにはさらに2個の安全進塁権が与えられた(最初の落球は山田に、ボール投げ入れは雄平に失策が記録された)。このあとDeNA・後藤武敏G.の内野ゴロの間にバルディリスは得点した。
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